熊本大大学院医学薬学研究部の小川久雄氏

 昨年5月に患者登録が完了した多施設共同研究、大規模試験「OSCAR-Study」の詳細が報告された。OSCAR-Studyは日本人を対象として「高用量ARB」と「通常用量ARB+Ca拮抗薬」の心血管系予後を比較する無作為化試験である。熊本大大学院医学薬学研究部の小川久雄氏(写真)らが6月17日、ベルリンで開催されているHYPERTENSION2008のポスターセッションで発表した。

 OSCAR(OlmeSartan and Calcium Antagonists Randomized)-Studyで検討される仮説は、「降圧度が同等ならば高用量オルメサルタンによる心血管系予後改善作用は通常用量オルメサルタン+Ca拮抗薬併用を上回る」というものだ。

 およそ1000例が「オルメサルタン40mg/日」群ないしは「オルメサルタン20mg/日+Ca拮抗薬」群に無作為化される。いずれもオルメサルタン20mg/日から投与開始し、降圧が不十分な場合、増量あるいはCa拮抗薬併用となる。Ca拮抗薬はアムロジピンないしアゼルニジピンを用いる。その後も血圧コントロールが不十分であれば、ARB、ACE阻害薬とCa拮抗薬を除く他の降圧薬を追加し、治療を行う。 

 対象は、高リスクの高齢高血圧患者である。年齢は65〜85歳、血圧は降圧薬(単剤)を服用にもかかわらず140/90mmHg以上が登録基準である。

 「高リスク」とは以下の少なくとも1つを有する場合とされる。すなわち「2型糖尿病」「脳血管障害既往(直近6カ月を除く)」「無症候性脳血管障害」「心筋梗塞既往(直近6カ月を除く)」「狭心症またはNYHA分類I〜II度心不全」「左室肥大」「大動脈瘤」「大動脈解離既往(直近6カ月を除く)」「閉塞性末梢動脈疾患(Fontaine分類:2〜4度)」「血清クレアチニン:1.2〜2.5mg/dL(男性)、1.0〜2.5mg/dL(女性)」「尿蛋白(定性:+1以上、定量値:0.3g/g・Cr以上)」。

 なお、現在服用している降圧薬を中止できない患者は除外されている。

 主要評価項目は複合評価項目で「致死的・非致死的心血管系イベント」と「総死亡」である。心血管系イベントの内訳は「脳血管障害」「冠動脈疾患(突然死を含む)」と「心不全」、「その他動脈硬化性疾患」「糖尿病性合併症」と「腎機能の悪化」である。

 現在の予定では2010年に追跡が終了し、2011年5月には結果報告の予定だという。なお研究の詳細はこちらのホームページに掲載されている。