ポーランドGdansk大M.Jaguszewski氏

 安定型冠動脈疾患患者では、血圧低下心拍数減少炎症マーカーが相関していることが分かった。ポーランドGdansk大M.Jaguszewski氏(写真)らが1374人の患者を対象に調査したもので、6月17日、ベルリンで開催されているHYPERTENSION2008のオーラルセッションで発表した。

 血圧低下・心拍数減少は高血圧患者の予後に深く関わっていることが知られている。この詳細を解明する一歩として演者らは、血圧低下・心拍数減少と炎症マーカーの変動を調べた。

 対象は安定型冠動脈疾患を持ち診断的冠動脈造影を行うために入院した患者1374人。女性が39%、男性が61%で平均年齢は63±9歳だった。炎症マーカーは、白血球数(WBC)、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)に伴うC反応性プロテイン(CRP)とフィブリノーゲン濃度など。

 試験では、対象者全員に24時間自由行動下血圧測定(日中8:00−22:00、夜間0:00−6:00)を行うとともに、血漿炎症因子測定のため採血を行った。なお、心房細動や心臓弁膜症、炎症性疾患や腫瘍のある患者は除外とし、減少効果は日中と夜間の平均血圧差として求めた。

 結果は、対象を減少グループ(昼間血圧−夜間血圧が0.1から0.2)、非減少グループ(昼間血圧−夜間血圧が0.1未満)、過減少グループ(昼間血圧−夜間血圧が0.2以上)の3群に分けて解析した。

 解析によると、全グループでフィブリノーゲン濃度とDBP低下の間には有為な負の相関があることが明らかになった(r=−0.676、p=0.043)。また、過減少グループでは、WBCとSBP低下の間に正の相関があることも分かった(r=0.26, p=0.045)。非減少グループでは、SBP低下とWBCの間、DBP低下とWBCの間で、それぞれ負の相関があった(r=−0.09, p=0.044とr=−0.122, p=0.007)。

 また、女性ではDBP低下とWBCとの間(r=−0.115, p=0.031)、心拍数(HR)減少とWBCの間(r=−0.148, p=0.006)で負の相関があり、DBP低下とCRPの間でも負の相関を認めた(r=−0.14, p=0.008)。

 血圧低下・心拍数減少と炎症マーカーの変動が病態にどのように関わっているのか、またサブグループによる違いが何を意味するのかなど、さらなる解明が期待される。