会場となったInternationales Congress Centrum Berlin (ICC)

 第18回欧州高血圧学会と第22回国際高血圧学会の合同学術集会である「HYPERTENSION2008」が6月14日、現地時間午前8時半にドイツのベルリンで開幕した。大会には世界中から8000人を超える専門家らが参加する見込みで、19日までの6日間にわたって高血圧診療の最新知見をめぐって議論を展開する。

 初日は、大会会長を務めるDetlev Ganten氏(写真)主宰のシンポジウムが開催された。テーマは「レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系(RAAS)の過去、現在、未来」。「History and Basics」や「New Players in the RAAS」など、5つのセッションで構成したプログラムを午前8時半から夕方6時まで連続して開催し、高血圧症の病態生理の実像に迫った。

会長のDetlev Ganten氏(Charite大)

 「高血圧は、今後開拓すべき薬物療法の中で最も優先順位の高い疾患である」。これはGanten氏が今大会を通じて発信するメッセージで、会長シンポジウムのテーマにレニン−アンジオテンシン−アルドステロン系を設定した最大の理由だった。2日目以降、このメッセージに呼応する研究成果がさまざまなセッションで発表されることになる。

 大会では、高齢者や女性、子供といった特定の対象に焦点を当てたセッションも予定されている。特定の集団における高血圧疾患の特徴を把握し、それぞれに適切な治療法について議論を深める。

 また、高血圧治療のガイドラインをめぐるセッションも組み込まれており、日本のガイドラインの改定論議を深める上で参考にすべき知見が期待できる。

 ONTARGETやACCOMPLISH、HYVETやADVANCEなど、最近発表された臨床試験を取り上げたセッションもあり、試験結果の評価をめぐってさまざまな議論が展開されそうだ。

一般市民向けのイベントも多数

 患者や一般市民向けのイベントも予定されている。初日は、ドイツ高血圧学会主催による「Hypertension2008ヘルスケアデイ」が開催された。高血圧症の最新知見についての講演会(写真左)のほか、高血圧予防の啓蒙ポスターの展示会、医師らによる高血圧診断や医療相談(写真右)などが行われた。主催者によると、9時半から18時までのプログラムに、1000人以上の人が来場する見込みだという。

 大会5日目の朝7時半からは、5キロマラソンとウォーキングが開催される。場所はベルリンの中心街にあるティーアガルテン公園で、美しい街並みに映える新緑の中を走り、あるいは歩くことで、健康の大切さを再認識してもらう狙いがある。

 今回の学会は6日間という長丁場。大会参加者らも、5キロマラソンあるいはウォーキングに出席する人が多いのではないだろうか。