Italian Institute for Auxology (IRCCS) のG. Seravalle氏

 閉塞性睡眠時無呼吸症候群における交感神経活性化は、特定の血管領域に限定される可能性が示された。Italian Institute for Auxology (IRCCS) のG. Seravalle氏らが、8月31日までパリで開催された欧州心臓学会(ESC2011)で発表した。

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、肥満の人にも正常体重の人にも見られ、著しい交感神経活性化が特徴の1つだ。しかし、OSA依存性アドレナリン作用の過活動が、ある特定の血管領域に限定されるのか、それとも心血管系全体におよぶのかどうかに関して、詳細はほとんど明らかになっていない。 Seravalle氏らは、限定的なものかそれとも全体におよぶものなのかを検討した。

 47人の中年(48.3±1.4歳)で正常血圧者をBMI、ウエストヒップ比(WHR)および無呼吸・低呼吸指数(AHI、終夜睡眠ポリグラフ計による評価)によって分類し、正常体重の場合と肥満の場合で、OSAの有無で層別化した。対象は、正常体重の非OSA群が14人、正常体重のOSA群が8人、肥満の非OSA群が10人、肥満のOSA群が15人だった。

 被験者の動脈血圧(Finapresによる)、心拍数(心電図ECGによる)、静脈血漿ノルエピネフリン(NE。HPLCによる)を調べた。また、筋交感神経活動 (MSNA)と皮膚交感神経活動(SSNA)は、微小神経記録法を用いて測定した。感情刺激(音刺激)に対する皮膚交感神経反応の測定も行った。

 4群において年齢、性別および血圧に著しい差はなかった。ただし、肥満の非OSA群とOSA群はともに、BMI(それぞれ33.1 対 32.3kg/m2)とWHR(同0.97 対 0.96)が、正常体重の両群(OSA群 対 非OSA群。BMI:24.0 対 23.5 kg/m2、WHR:0.76 対 0.76)に比べて有意に大きかった、p<0.05)。

 まず正常体重でみた結果、OSA群のMSNAは非OSA群に比べて大きいことが分かった(61.8±2.9 対 42.4±3.8bs/100hb、p<0.04)。一方で、両グループのSSNAに有意差が見られなかった(12.4±1.6 対 12.3±0.9bursts/分)。血漿NEの挙動は、OSA群と非OSA群で似かよっており、両者に有意な差は見られなかった(268±39 対 220±28pg/mL)。

 同様に、肥満の場合も、OSA群のMSNAは非OSA群よりも大きかった(72.8±4.2 対 59.4±3.1bs/100hb、p<0.04)。一方、SSNAには両群で有意差が見られなかった(13.5±1.4対12.6±1.1bursts/分)。また、両群の静脈血漿NE値には有意な差は認められなかった(404±41対385±37pg/mL)。なお、感情喚起に対するSSNA反応は、4群とも同程度であった。

 演者らは今回得られたデータについて、「OSAの特徴である著しい交感神経活性化は、ある特定の血管領域に限定されるもので、心血管系全体におよぶものではないことを示唆している」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)