フランスReunion大学のC.Freyssin氏

 心臓リハビリテーション冠動脈疾患リスクの軽減に有効であることについては多くの報告がある。しかし、リハビリを終了した後の状況についての研究は少ない。そこでフランスReunion大学のC.Freyssin氏らは、心臓リハビリを行った後の患者の身体活動量の違いが、冠疾患リスクにどのような影響を及ぼすかを調べ、8月31日までパリで開催された欧州心臓病学会(ESC2011)で発表した。

 6週間の心臓リハビリを実施した42人(平均年齢56.2歳、男性33人、女性9人)を対象とし、Dijon physical activityスコアによって身体活動量の多いAG群(22人)と身体活動量の少ないSG群(20人)に分けた。

 両群は、心臓リハビリ終了後から18カ月間、そのままの身体活動レベルを維持するように心がけた。

 心臓リハビリ開始前(T0)、心臓リハビリ終了時(T1)、心臓リハビリ終了から18カ月後(T2)の3回、細動脈の内皮機能(HDI/PulseWaveTM CR-2000 tonometer)、身体活動能力(6分間歩行能力)、体重の3つの測定を行った。

 心臓リハビリ開始時(T0)と心臓リハビリ終了後(T1)で比較すると、両群とも内皮機能や体重は変化がなかった。6分間歩行能力は、SG群で有意に増加した(447±81 対 493±102m、p=0.017)。

 リハビリ終了後(T1)とその後18カ月後(T2)とで比較すると、SG群では内皮機能は低下し(4.6±2.2 対 2.7±0.9 mL/mmHg×100、p<0.001)、6分間歩行能力も低下した(493±103 対 428±119m、p<0.001)。また、体重は増加していた(75±15 対 77±16kg、p<0.05)。

 これに対して、AG群ではT1とT2で有意な変動は見られなかった。 

 Freyssin氏は、「心臓リハビリ後、座っていてあまり動かない生活を続けると、内皮機能や歩行能力の低下、体重の増加などが見られることが分かった。心臓リハビリ後も運動を行うなどで日々の身体活動量を高く維持することは、冠疾患のリスク管理上でとても重要と考えられる」と話した。

(日経メディカル別冊編集)