イタリアのFerrara大学病院のMarco Valgimigli氏

 経皮的冠動脈インターベンションPCI)施行後の患者にアスピリンクロピドグレルを追加する2剤併用抗血小板療法DAPT)を24カ月持続しても、6カ月持続した場合に比べて冠動脈イベントの発生率は有意に低下しないことが、8月27日からパリで開催されている欧州心臓病学会(ESC2011)で示された。さらに、24カ月の持続DAPT療法では、出血のリスクが増大することも分かった。イタリアのFerrara大学病院のMarco Valgimigli氏らが、PRODGY試験の結果を報告した。

 同試験は、冠動脈血管再生術を実施する2000人以上の患者のうち、希望者全員を、ステントによる術後の内膜肥厚リスクを考慮し使用するステント(texus、endeavor、Xience V、BMS)が均等に配分されるようにし、2剤併用療法24カ月持続群と6カ月持続群に分けた。主要評価項目は、死亡、心筋梗塞、冠動脈イベント、ステント血栓症の発生。

 その結果、2年後の主要評価項目の累積発生率は、24カ月持続群で10.1%、6カ月持続群で10.0%で有意差はなかった(ハザード比:0.98、95%信頼区間:0.74-1.29、p<0.91)。全死亡、心筋梗塞など個別の発生率においても両群間で差はなかった。

 また、24カ月持続群では、BARC出血基準によるタイプ5、3、2の出血イベントが約2倍多く発生した(ハザード比:2.17、95%信頼区間:1.44-3.22、p<0.00018)。TIMI出血基準の大出血と赤血球輸血の発生も、24カ月持続群で増加した(p<0.041)。

 Valgimigli氏は、「2剤抗血小板療法の効果についてはわずかながらも可能性が残されるが、本試験の結果からは、6カ月以上持続しても臨床的なメリットはなく、入院治療を必要とする出血が有意に増加することが分かった。DES留置後、少なくとも12カ月は2剤併用療法を行うべきとする現行のガイドラインに疑問を投げかける結果となった」と指摘した。

 ディスカッサントとして登場したドイツのA.Kastrati氏は、「同試験は非盲検で、対象者数も比較的少ないなどの限界がある。今後、さらに大規模な試験によって、DES留置後のDAPTの最適持続期間が明らかになることを期待したい」と言及した。

(日経メディカル別冊編集)