フランスRegional大学病院のSalem Kacet氏

 ICD植込み手術後の患者に対する毎日の遠隔モニタリングの評価を行った多施設共同ランダム化試験(ECOST)の結果が、8月27日からフランス・パリで開催された欧州心臓病学会(ESC2011)で発表された。フランスRegional大学病院のSalem Kacet氏らの研究成果で、同氏は「全死亡などの致命的な主要有害事象の発生において、外来でのフォローアップに対する遠隔モニタリングの非劣性が証明された」と結論した。

 対象はICD植え込み手術を行った433人で、無作為に毎日遠隔モニタリングを行うactive群と対照群の2群に分けた。Active群で使用した遠隔モニタリングシステムは、ワイヤーレスで自動的に毎日モニタリングが行えるBiotronik社製。両群ともICD植込み手術後3カ月以内に外来でのチェックを受け、その後、active群は、外来でのフォローは年に1回のみで、毎日遠隔モニタリングでデータを送信、異常なICD作動や冠疾患イベントなどが観察された場合は、さらなる外来チェックを受けた。一方の対照群は、6カ月ごとに外来でのフォローを実施した。試験期間は27カ月。

 主要評価項目は、全死亡、主要な冠疾患イベント、機器に関連した有害事象などの生命を脅かす主要有害事象(MAE)の発生。

 その結果、試験期間中に1回以上MAEが発生した患者はactive群で85人(38.5%)、対照群で88人(41.5%)。累積のMAE無発生率において、active群の対象群に対する非劣性が証明された(ハザード比:0.91、95%信頼区間0.68-1.23、p<0.05)。

 また、active群は対照群よりも不適切なICDショックを52%減少させ(11人 対 22人)、不適切なICDショックによる入院を72%減少させた(3人 対 11人)。さらにcharged shockを76%減少させ、active群のICDのバッテリーの寿命を延ばす効果も見られた。 

 Kacet氏は、「毎日モニタリングを行うことで、様々な臨床イベントやデバイスの誤作動などを早期に発見できる。ICDの遠隔モニタリングが、新しいゴールドスタンダードになる日も近いかもしれない」と指摘した。
 
(日経メディカル別冊編集)