オランダのフローニンゲン大学医療センターのT. Hoekstra氏

 心臓病患者における性のカウンセリングを阻んでいるものは何か――。性機能障害は、心臓病患者によく見られる問題の1つである。しかしながら、医療従事者は、この問題の重要性を理解しているにも関わらず、性に関する心配事について、患者と話し合う機会をほとんど持たないのが現状だ。そこで、オランダのフローニンゲン大学医療センターのT. Hoekstra氏らは、医療従事者が患者と性の問題について話し合うのを避ける原因を探るための検討を行い、その成果を8月27日から31日までパリで開催される欧州心臓学会(ESC2011)で発表した。

 Hoekstra氏らは、オランダにあるすべての心臓病リハビリテーションセンター(127施設)と心不全診療所(120施設)に勤務する医療従事者を対象に調査を行った。調査票は、心筋梗塞(MI)患者の性カウンセリングについての看護質問票を基本とし、医療従事者にとって性カウンセリングの障壁となっているものは何かについての質問を追加した。結果は、性に関する心配事について患者と話し合うと報告した医療従事者(169人)とそうでない従事者(276人)との間で比較検討した。

 全体で445人(75%が女性、平均年齢44±9歳)が質問票に答えた。回答者の52%が看護師、21%が理学療法士だった。性の心配事について話し合わない理由として最も多かったのは、どのように話し始めてよいかわからないが45%、患者がその話題を持ち出さないが42%、トレーニングの欠如が41%であった。

 また、患者と話し合う群と話し合わない群で比較したところ、性のカウンセリングについて医療施設側の指針がないこと(p<0.001)、医療従事者の知識の欠如(p<0.001)、どのように話し始めてよいか分からない(p<0.001)などに有意差を認めた。

 演者らは、「心臓病患者の性カウンセリングにおいて医療従事者の障壁となっているのは、彼らの知識(の欠如)に関係するものと、患者と施設の指針に関係するものであった」と結論。「患者の性の問題を改善するためには、医療従事者の知識の向上と性カウンセリングに関する医療施設側の指針を明確にすることが必要である」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)