急性心イベントを発症したアスリートを対象としたオランダの症例対照研究で、心疾患の既往家族歴のほか、最近の疲労感インフルエンザ罹患も有意な危険因子になることが示された。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのM.F. de Beus氏のグループの研究で、オランダ・ナイヘーメンCanisius Wilhelmina病院のW M. van Teeffelen氏らが、8月30日〜9月3日にミュンヘンで開催された欧州心臓病学会(ESC2008)で報告した。

 van Teeffelen氏らは、運動後1時間以内に急性心イベントを発症したか、運動後1時間以内に心症状があり、24時間以内に急性心イベントを発症したアスリートを症例群(n=57)とし、運動によるマイナーな怪我で医療機関を訪れた対照群(n=57)と比較する症例対照研究を行った。

 症例群は平均41.8±13.4歳、対照群は40.9±13.0歳で、いずれも96.5%が男性だった。

 両群で最も大きな差があったのは、前月の疲労感で、症例群では57例中20例だったのに対し、対照群では57例中1例に過ぎず、オッズ比は30.3(CI:3.9-235.3)と、症例群で顕著かつ有意に多かった。次いで心血管疾患の既往でオッズ比20.0(CI:5.6-71.5)、前月のインフルエンザ罹患の16.3(CI:2.1-129.1)、胸の不快感が同6.2(2.3-16.7)が続き、さらに、動悸(OR=4.2、CI:1.4-12.3)、喫煙(OR=2.8、CI:1.3-6.2)、家族歴(OR=2.4、CI:1.1-5.3)が有意なリスク因子となった。

 Teeffelen氏らは、「特にアスリートでは、これらのリスク因子に十分な注意を払うことで新突然死などの予防に貢献し得る」としていた。

 日本でも特定保健指導の“メタボ健診”が始まり、指導をきっかけに運動に目覚める中高年層が増えているが、特に強度の高い運動を行う際は、急性心疾患を防ぐため、本研究で指摘された点には配慮する必要がありそうだ。