再狭窄を伴うシロリムス溶出ステント(SES)病変部の中で、ステントが破損している場合の病変部の特徴が解明された。SES再狭窄を伴う37病変部の解析結果により明らかになったもので、ステント破損を血管造影法で区別するための手がかりが示された。東邦大学医療センターの天野英夫氏らが9月2日、ポスターセッションで発表した。

 ステント破損はSES再狭窄を誘発する要因の1つだが、血管造影法では区別するのが難しい場合があった。このため、演者らはステントが破損している場合の病変部について、血管造影法で区別できる特徴を見出すことを目的に検討を行った。

 対象者は、SES再狭窄を伴う37病変部があった患者35人。これをステントが破損している病変部があるF群(n=7)、破損のない病変部を非F群(n=30)に分類し比較した。

 その結果、以下のような特徴が分かった。ステントのトータルの長さは、F群は38.7±12.3mm、非F群は30.4±11.6mmで、ステントはF群の方が長い傾向が見られた(p=0.10)。

 また、病変部の屈曲度は、F群は32±29度、非F群は7±20度で、アンギュレーションはF群の方が有意に大きかった(p<0.01)。一方、収縮期血圧はF群の方が有意に高く、F群は138±13mmHg、非F群は124±17mmHgだった(p<0.05)。心エコー検査によって、左室後壁厚(PWT)はF群の方が厚い傾向が見られ、F群は10.1±1.9mm、非F群は9.0±1.1mmであった(p=0.06)。

 これらの結果から演者らは、SES再狭窄の症例のうち、「ステントのトータルの長さが長く、屈曲度が強く、収縮期血圧が高く、PWTが厚い症例の血管造影図は、ステント破損の可能性を念頭に入れながら注意深く調べる必要がある」と結論した。