ロンドンChest HospitalのAkhil Kapur氏

 糖尿病患者にはPCIなのかCABGなのか−−。この問いに1つの答えが出された。510人の糖尿病患者を対象にしたCARDia試験の結果明らかになったもので、ロンドンChest HospitalのAkhil Kapur氏(写真)らが9月1日、セッション「HOT LINE II」で発表した。

 CARDia試験は、糖尿病患者に対して、PCIとCABGの成績を比較検証した多施設ランダム化試験。2002年から2007年までに登録された患者510人をPCI群(256人)とCABG群(254人)に無作為に割り付け5年間追跡調査を行うことになっている。今回は1年後の成績が発表された。

 それによると、1年間フォローできたのは、CABG群(245人)、PCI群(251人)だった。成績をみると、PCI群とCABG群の間で、1年後の死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中のイベント発生率は、両群に有意差はなかった(p=0.63)。死亡だけみても、両群に有意差はなかった(p=0.83)。ただし、再血行再建数は、PCI群で有意に多かった(PCI群9.9%、CABG群2.0%、p=0.001)。このため、再血行再建を含めた主要評価項目(1年後の死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、再血行再建)の発生率は、CABG群が11.0%だったのに対し、PCI群が17.5%と有意に高い結果となった(p=0.04)。

 PCIでDESを使った群に焦点を当てたサブグループ解析では、主要評価項目では、CABG群とPCIでDESを使った群の間に有意差はなかった(p=0.98)。ただし、1年後での非致死性脳卒中のイベント発生率は、CABG群2.5%に対し、PCIでDESを使った群は0%だった(p=0.041)。一方で、1年後での再血行再建数は、CABG群2.0%に対し、PCIでDESを使った群は7.3%と有意に多かった(p=013)。

 再血行再建数では有意差がついたものの、1年後の死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中のイベント発生率ではCABG群と有意差がなかったことから、演者らは、「PCIは今は、多様な血管疾患を持つ糖尿病患者において妥当な戦略であろう」と考察した。まだ1年目の結果であり、今後の成績がどのようになるか期待したい。