スイスBern University HospitalのStephan Windecker氏

 新たなステントとして注目されるバイオリマス溶出ステントBioMatrix Flex)は、シロリムス溶出ステントCYPHER SELECT)に劣らず有用であることが報告された。両者の非劣性試験LEADERSで明らかになったもので、スイスBern University HospitalのStephan Windecker氏(写真)らが9月1日、セッション「HOT LINE II」で発表した。

 バイオリマスはシロリムスと同じマクロライド環を有する構造をもち、新生内膜増殖抑制作用、内皮再形成作用および広範囲有効治療域を有する化合物だ。脂溶性に富む化合物で血管壁への移行性に優れているという特徴があり、早期の健全な内膜化をもたらすことによって長期にわたる抗血小板薬の服用を回避し、晩期における血栓性合併症を防ぐことが期待されている。

 試験では、経皮的冠動脈形成術(PCI)が適格とされる症候性冠疾患の患者1707人を対象に、無作為にバイオリマス溶出ステント群(857人、1257病変)とシロリムス溶出ステント群(850人、1215病変)に割り付け、9カ月後の成績を比較検討した。

 その結果、主要評価項目(心血管死、心筋梗塞、TVRの複合)では、バイオリマス溶出ステント群が9.2%だったのに対し、シロリムス溶出ステント群が10.5%だった。リスク差は−1.3%(上限95%信頼区間1.1%、p=0.003)で非劣勢が証明された。相対リスクは0.88(95%信頼区間;0.64−1.19)だった。なお、ステント血栓症は、バイオリマス溶出ステント群が1.9%、シロリムス溶出ステント群が2.0%で、相対リスクは0.93(95%信頼区間;0.47−1.85)という成績だった。

 サブグループでは、ST上昇が伴う心筋梗塞患者群で主要評価項目に差が確認された。バイオリマス溶出ステント群135人中8例に主要評価項目を認めたのに対し、シロリムス溶出ステント群では140人中21人で、相対リスクは0.37(0.16‐0.84、p<0.020)だった。

 これらの結果から演者らは、「バイオリマス溶出ステントの有効性・安全性は、シロリムス溶出ステントに劣らないことが証明された」と結論した。9カ月後の成績という制限はあるものの、バイオリマス溶出ステントのシロリムス溶出ステントに対する非劣勢が証明された意義は大きいといえよう。