ストロングスタチンの1つであるピタバスタチンは、高コレステロール血症の患者の脂質状態を改善し、高感度C反応性蛋白hs-CRP)を下げることが報告された。KISHIMEN多施設プロスペクティブ試験の解析によるもので、京都大学医学部付属病院循環器内科の久米典昭氏らが9月1日、ポスターセッションで発表した。

 特に2型糖尿病患者では、脂質管理が重要になっていることから、ストロングスタチンへの期待が高まっている。演者らは、ピタバスタチンの抗炎症作用あるいは脂質状態の改善作用を明らかにするため、多施設プロスペクティブオープンラベル試験に取り組んできた。

 試験では、2型糖尿病患者(DM、n=103, 58%)を含む178人の日本人の高コレステロール血症の患者を対象に、脂質状態およびhs-CRPレベルに対するピタバスタチン(1〜2mg、12カ月)の効果を調べた。

 その結果、LDLコレステロール値は、被験者全体とDM被験者でそれぞれ30.3%、31.0%と有意に減少した。また、レムナント様リポ蛋白コレステロール(RLP-C)値は、被験者全体とDM被験者でそれぞれ22.8%、14.0%と有意に減少した。

 以前に他のスタチンによる治療を受けたことのない被験者では、ピタバスタチン(2mg)はLDL-Cを39.9%下げた。HDL-C値が40mg/dLの被験者では、ピタバスタチンはHDL-C値を被験者全体とDM被験者でそれぞれ19.0%、24.5%と有意に引き上げた。

 一方、ピタバスタチンはhs-CRP値も有意に下げた(被験者全体とDM被験者でそれぞれ、中央値;0.69‐0.45mg/L、-34.8%、p<0.01、中央値;0.59‐0.36mg/L、-39.0%、p<0.05)。さらに、ベースラインでhs-CRP値が上位4分の1に入っている被験者では、hs-CRPが劇的に減少した(被験者全体とDM被験者でそれぞれ、中央値;3.45‐1.81mg/L、-47.5%、p<0.01、中央値;2.82‐0.82mg/L、-70.9%、p<0.05)。ただし、ピタバスタチン治療後、DM被験者のグリコシル化ヘモグロビン値に有意な変化は見られなかった。なお、重大な副作用は観察されなかった。

 これらの結果から演者らは、「ピタバスタチンは、DMを含む高コレステロール血症被験者の脂質状態を安全に改善し、炎症を抑える」と結論付けた。