フランスCentre Cardio-PneumologiqueのPhilippe Mabo氏

 心臓再同期療法(CRT)は、70歳以上の高齢患者でも有効であることが報告された。臨床試験CARE-HFのサブ解析で明らかになったもので、フランスCentre Cardio-PneumologiqueのPhilippe Mabo氏(写真)が8月31日、アブストラクトセッションで発表した。

 CARE-HFは、中等度から重度の症状およびディスシンクロニーのマーカーを有する患者において、CRTが原因を問わない死亡率と重大な心血管疾患有病率を減らすことを実証した多施設ランダム化臨床試験である。サブ解析では、70歳以上の高齢患者を対象に、CRTの臨床上の有用性と安全性を検討した。

 主要評価項目は、原因を問わない死亡または重大な心血管イベントによる予定外の入院とした。また、副次的評価項目は、原因を問わない死亡および原因を問わない死亡と心不全による予定外の入院の複合とした。

 対象は、平均年齢75歳の患者302人。CRT+内科療法(CRT群、157人)と内科療法のみ(OMT群、145人)に無作為に分け、平均28.9カ月追跡し、死亡率についてはさらに6カ月の追跡調査を行った。ベースラインの状態は両グループとも同様で、51%に虚血性心疾患があり、92%がACE阻害薬またはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の投与を、65%がβ遮断薬の投与を受けていた。平均QRS幅は165ms。

 試験の結果、主要評価項目に達した患者数は、CRT群が63人だったのに対し、OMT群では85人だった(43.3%対58.6%。ハザード比;0.67、95%信頼区間;0.48‐0.92、p=0.015)。

 全死亡率は、CRT群が22.9%(36人)だったのに対し、OMT群では39.3%(57人)だった(ハザード比;0.55、95%信頼区間;0.36‐0.84、p<0.001)。6カ月の延長期間終了時の死亡率は、それぞれ30.6%と48.3%で、CRT群が有意に低かった(p=0.002)。一方、死亡または心不全による入院は、CRT群で51人、OMT群で79人だった(32.5%対54.5%、ハザード比;0.51、95%信頼区間;0.36‐0.73、p=0.0001)。

 これらの結果から演者らは、「70歳以上の高齢者でも、CRTは有病率と死亡率に有意の効果を発揮する」とし、「70歳未満と効果は同様であった」と結論付けた。