アスピリン製剤(ASA)は長期投与でも耐性が生じにくいことは知られているが、冠状動脈疾患患者に50/100mg製剤を5年間投与しても、凝集抑制能に有意な変化が見られないことが試験の結果、確かめられた。オーストリア心血管リハビリセンターのRobert Berent氏らの研究グループが9月5日のポスターセッションで発表した。

 Berent氏らは、冠疾患が100人(37〜69歳、59人が男性)を50人ずつの2群に分け、一方は50mg、他方は100mgのASA製剤を5年間投与した。年齢、喫煙、使用薬剤などベースラインの主な指標に有意差はみられなかった。

 被験者は、血小板凝集能を示すプロスタグランジンI2、ADP、コラーゲン、エピネフリンのほか、血小板活性化指標のβ-トロンボグロブリン、炎症マーカーとして高感度CRP、フィブリノーゲン、血沈、VCAM 1も併せて測定した。測定時期は、ベースラインと2週間後、1、3、6、12、18カ月後、2、3、4、5年後に測定した。服用コンプライアンスは錠剤数の確認とインタビュー、血中トロンボキサンB2形成で確認した。

 5年間の経過観察を完了したのは各群45人。4人が離脱、6人が死亡した。いずれの用量群でも、ASAに対する作用に有意な変化は見られず、用量群間にも違いは認められなかったという。

 ただし、期間中、致死的、非致死的な心血管イベントを起こした群は、心血管イベントがなかった群に対して、測定した炎症マーカーの平均値がすべて有意に高かった。血小板活性はイベント群と非イベント群で有意な差はみられなかった。