冠状動脈疾患や脳卒中、高血圧症など心血管系のハイリスク患者197人を対象とした調査で、8割超が初発の心血管イベントの平均3年前に勃起不全ED)になっていたことが分かった。ドイツ・ザールランド大学のMichael Bohm氏らの研究で、「ED発症は、心血管疾患の早期発見と予防の機会」という。9月6日のポスターセッションで報告した。

 研究グループは、2003年以降に参加を募った心血管系ハイリスク患者197人を対象として、EDと心血管リスクの関係を調べる調査研究「EROSS(Evaluation of Role of Sexual Dysfunction in the Saarland)プログラム」を実施した。

 対象患者に対して医療記録の確認と面談を実施、心血管系疾患についてのリスク要因、過去の発作歴、使用薬剤などを確認した。EDの重症度については、国際勃起機能スコア(IIEF-5)と呼ばれる簡単な問診票で確認し、併せて、EDの兆候が最初に現れた時期と、心血管疾患を発症する以前の性的活動度についても聞き取り調査をした。

 参加者は平均62.3歳。冠状動脈疾患(79.2%)、心筋梗塞(29.4%)、脳卒中(9.1%)、高血圧(78.2%)などと複数の心血管疾患にかかっており、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)(79.2%)、β遮断薬(72.1%)などの投薬を受けていた。

 参加者は心血管疾患に罹患して以降、性的活動度が著しく低下していた。例えば、週3回以上、性交をしている人の比率は、罹患前の4割強から、罹患後は約2割と有意に減少していた。また、参加者のうち、ED初発時期の確認が可能だった48人のデータから、EDになってから平均3.04年(±7.2年)で、心筋梗塞や脳卒中など重大な心血管イベントを発症していることが分かった。Bohm氏らは、「ED発症は心血管疾患の初期兆候と見るべきで、心血管イベントの早期発見と予防の機会と考えられる」と指摘していた。