1週間に板チョコ1枚程度のチョコレートを日常的に摂ることで、心血管リスクの予測指標である動脈弾性特性を改善する効果が得られる可能性が示された。ギリシャNational and Kapodistrian大学Hippocration病院のCharalambos Vlachopoulos氏らの研究成果で、9月5日のポスターセッションで報告された。

 フラボノイドの摂取は心血管系に好ましい影響を与えることが知られており、Vlachopoulos氏らは、フラボノイドを豊富に含むチョコレートの日常摂取が、動脈弾性に与える影響を調べた。

 心血管疾患はなく、喫煙以外の心血管危険因子を持たない健常人159人(平均年齢41歳、99人が男性)を対象として、頸動脈−大腿動脈間脈波伝播速度(carotid-femoral PWV)を測定、橈骨動脈の圧波形から、反射波成分の割合を示す増大圧係数(Augmentation Index:AIx)を算出した。AIxは、全身の動脈硬化度を定量的に評価する簡易指標として用いられている。

 さらに質問票を用いて食事内容を調査し、日常的なチョコレートの摂取量を調べた。結果に基づいて患者を非摂取群(26人)、少量摂取群(平均10g以下、65人)、多量摂取群(10g超、68人)に分類した。

 単変量解析では、日常的なチョコレート摂取量が増えるとPWV(m/sec)、AIx(%)ともに低下(傾向のP値はいずれも<0.001)、動脈の弾性に有益な作用を持つことが示された。年齢、性別、収縮期圧、心拍、身長、喫煙、HDLコレステロール値で調整した多変量解析でも、この関係は維持された。

 解析の結果、非摂取者と比べると、AIxは多量摂取者のみ有意に低いことが明らかになった(P<0.05)。一方、PWVについては、少量摂取者、多量摂取者とも有意な利益が見られた(いずれもP<0.01)。

 なお、この研究は、チョコレート全般を調査対象としており、ダークチョコレートに限定していない。日本で市販されているシンプルな板チョコは、1枚70〜75g。1週間かけて食べても1日10gは摂取できる。ちなみに、国際菓子協会/欧州製菓協会の2004年の調査によると、ギリシャ人の年間チョコレート消費量は一人当たり3.1kg、日本人は2.2kgだった。

 本報告の原題は「Favorable effect of habitual chocolate consumption on arterial elastic properties」。