「持続的な身体活動に心臓が順応して左心房が拡張し心房細動リスクが高まる」と指摘するMolina氏

 特発性心房細動とされる原因を特定できない心房細動を起こした患者の身体活動(労働と運動)の履歴を調べたところ、健常人に比べて中等度以上の強度の活動時間の累計が約2.7倍と大幅に多いことが分かった。スペイン・バルセロナ大学病院のIluis Molina氏らの研究で、9月6日にポスターセッションで発表した。労働と運動を含めた身体活動を高い強度で長期間行うと、心房細動リスクが上昇する可能性を示した研究は、これが初めてだという。

 Molina氏らは、運動と労働を合わせた身体活動と特発性心房細動の関連性を調べるケースコントロール研究(GIRAFAスタディ)を実施した。

 対象は、特発性心房細動で救急部門を訪れた65歳未満の患者112人(平均年齢48.3歳、67.9%が男性)。対照群は性別と年齢をマッチさせた健常人112人とした。質問票を使って身体活動について詳細に調査し、活動強度に基づいて身体活動を4分(強度ゼロ、低強度、中強度、高強度)し、発症までの強度別の累積時間を求めた。なお、患者の55.4%は発作性心房細動、44.6%は持続性心房細動だった。

 その結果、中強度の身体活動の累積時間は、対照群に比べ患者群で長かった。労働は患者群6535時間、対照群647時間(P<0.001)、運動は患者群3214時間、対照群2322時間(P=0.009)で有意差があった。高強度の身体活動については、高強度の労働を行ってきた人がわずかだったため、労働については有意な値は得られなかった。労働と運動を合わせた累積時間については、患者群2001時間、対照群1367時間で有意差が認められた(P<0.001)。

 心エコー検査により、心房細動患者では左心房のサイズが有意に拡張していた。Molina氏は、持続的な身体活動に心臓が順応して左心房が拡張したと考えられ、これにより、心房細動リスクが高まる可能性があると指摘している。

 発表の原題は「Increased physical activity in patients with idiopathic Atrial Fibrillation: a case-control study」。