喫煙者には朗報だ。喫煙血管内皮機能を損ない、心血管リスクを高めることが知られているが、高脂血症治療薬アトロバスタチンを服用することで、スタチンの脂質低下作用とは関係なく、喫煙者の血管内皮機能が非喫煙者のレベルまで回復することが明らかになった。スウェーデン・カロリンスカ研究所のStefan Agewall氏らが9月5日のポスターセッションで報告した。

 研究グループは、コレステロール値が正常の喫煙者20人と非喫煙者20人を対象に、80mgのアトロバスタチンが血管内皮機能に影響を与えるかどうかを調べた。対象者の平均年齢は30歳。喫煙者と非喫煙者のいずれも無作為に2群に分け、一方の群には最初の4週間、アトロバスタチンを、他の群にはプラセボを投与した。4週間後、投与法を入れ替えてさらに4週間実施した。

 血管内皮機能は血管拡張反応(FMD)を指標とし、4週間目と8週目に測定した。その結果、非喫煙者のFMDは、アトロバスタチン投与後、プラセボ投与後ともベースラインと変わらなかった。しかし、喫煙者のFMDは、ベースラインには2.2±0.5%だったが、4週間のアトロバスタチン投与後には4.0±0.8%と有意に増加し(P<0.05)、非喫煙者のFMD値と同程度になった。逆にプラセボ投与後は喫煙者のベースラインの値に戻っていた。

 当然のことながら、喫煙者でも非喫煙者でもアトロバスタチン投与後には総コレステロール値、LDLコレステロール値とも下がっていた。この結果から、Agewall氏らは、アトロバスタチン投与による血管内皮機能の改善が、脂質低下とは無関係に起きていたことを示唆すると結論づけていた。