スイス心血管センターのJean-Paul Schmid氏らは、低出力の衝撃波を体外から虚血部位に当てることで、難治性狭心症の症状を軽減できることを9月4日のポスターセッションで報告した。経皮的冠動脈形成術(PCI)や冠動脈バイパス術(CABG)が受けられない患者にとっては朗報といえそうだ。

 体外衝撃波は、尿路結石を破砕する治療(ESWL)として以前から使われてきたが、近年、低出力の衝撃波を心臓に当てると、毛細血管の密度や心筋血流を増加させることが動物実験で分かってきた。またヒトの細胞でも血管内皮増殖因子(VEGF)を増加させることが確認されている。心臓に体外衝撃波を当てる治療はCSWT(Cardiac Shockwave Therapy)と呼ばれている。

 研究グループはこれまでのエビデンスから、安定狭心症患者の症状緩和と虚血閾値の改善にCSWTの有効性が期待できると考え、安定狭心症患者15人(平均68歳)を対象にその効果を調べた。患者をランダムに2群に分け、治療群(8人)は、3カ月間にわたり虚血部位に30分間の照射を実施した。投薬は変更しなかった。

 3カ月後、心肺運動負荷試験における虚血閾値は、治療群ではベースラインの98±27Wから115 ±15Wと、およそ2割増加した(p=0.068)が、プラセボ群(7人)では変化がなかった。健康関連QOL尺度であるSF-36における身体機能の項目でも、治療群でのみ改善が見られた。治療中および治療後に不整脈はなく、トロポニンの上昇もなかった。

 こうした治療法は、スイスのほか、ドイツやイタリア、オーストリア、日本でも行われ、同様の結果が出つつあるという。