「CABG前後の心肺リハで、合併症の頻度を減らし入院期間を短縮できるため、医療費も抑制できる」と報告するHerdy氏

 冠動脈バイパス手術CABG)を待つ入院患者に対して、術前と術後に心肺リハビリテーションを施すと、通常のケアを受けた患者に比べ、肺炎その他の合併症の頻度が有意に低下し、入院期間の短縮も実現できるという。ブラジル・サンタカタリナ心臓学研究所のArtur Haddad Herdy氏らが9月4日の一般口演で報告した。

 ブラジルの公立病院では、入院してからCABGが行われるまで、長く待たされることも少なくないという。その間、運動を制限されると、術後のアウトカムが悪化する可能性がある。しかし、術前から心肺リハを行った場合に術後アウトカムが変化するかどうかについては、明確な情報がなかった。

 そこでHerdy氏らは、術前に、強度の低い運動と呼吸訓練、術後の抜管から退院までの期間、呼吸理学療法と運動を組み合わせて実施するプログラムを実施して、術後のアウトカムを評価する無作為割付比較対照試験を行った。

 病院で初回のCABGを待つ、状態が安定している56人の患者を無作為にリハビリ群(29人)と対照群(27人)に割り付けた。リハビリ群には、術前に5日以上、術後は抜管から退院までリハビリを実施。対照群には標準治療を行った(医師がオーダーした場合には、術後の運動訓練も行われた)。

 割り付け時の両群の患者の特徴には、有意差はなかった。気管内挿管から抜管までの時間は、リハビリ群で短かった(1054分と1340分、P=0.05)。以下の合併症の罹患率は、いずれもリハビリ群で有意に低かった。胸水(20%と48%、P=0.03)、無気肺(7%と33%、P=0.03)、肺炎(0%と7%、P=0.004)、心房細動(10%と37%、P=0.03)。リハビリ群では術後の入院日数も短縮した(6日と10日、P<0.001)。集中治療室の滞在期間には有意差はなかった。

 入院が長期化するような環境では、CABGを待つ患者に対する術前術後の心肺リハビリは、術後アウトカムに臨床的に意義のある改善をもたらすことが明らかになった。Herdy氏は「最も一般的な合併症の頻度を減らし、入院期間を短縮できるため、医療費も抑制できる」としている。

 本発表の原題は「In-hospital preoperative and postoperative cardiopulmonary rehabilitation improve outcomes after coronary artery bypass surgery: a randomized controlled trial」。