最新の過激なジェットコースターは心血管系への悪影響はないのか。ドイツ・マンハイム大学病院のJuergen Kuschyk氏らは、55人のボランティアにホルター心電計を装着させ、ジェットコースター乗車中の心拍数の変化を測定した結果、乗車中の平均心拍数は激しい運動並みに上昇した上、被験者の実に43.6%が乗車後、不整脈を呈した。ジェットコースター乗車が心血管系に及ぼす影響を系統的に分析した研究はこれが初めてという。研究成果は9月4日のポスターセッションで報告された。

 55人の被験者は37人が男性、平均年齢は28歳(18〜70歳)だった。うち30人はジェットコースター乗車経験がなく、8人は少数回の経験者、17人は豊富な経験を持っていた。12誘導ホルター心電計で、乗車前、乗車中、乗車後の心拍を記録した。

 計測はドイツ国内の遊園地にある実際のジェットコースターを用いた。乗車時間は120秒。地上62メートルから急速に落下する。重力は4秒間で6G変化し、最高時速は120キロを超えるという。

 測定の結果、安静時の平均心拍数は89だったが、スタートから平均64秒後に最大心拍数の平均値は155に達した。男性と女性では、最大心拍数の平均に有意な差があった(男性148.5拍/分、女性164.8拍/分)。

 心拍数上昇が最も大きかったのは、坂をゆっくり上る最初の30秒間。感情面のストレスが心拍数に大きく影響したようだ。乗車経験と平均心拍数の間には有意な関係は見られなかった。

 55人中24人(43.6%)には、乗車後、最大で5分間、洞性不整脈が見られた。被験者の1人は自然停止したものの心房細動を起こし、別の被験者には非持続性心室頻(NSVT)が現れた。

Kuschyk氏らは、ジェットコースター乗車で平均心拍数と最大心拍数が明白に上昇すること、心拍数上昇幅には感情面のストレスが強力に関係することを指摘、「乗車は不整脈を誘発し、構造的心疾患を持つ患者にリスク上昇をもたらす可能性がある」と述べていた。

 発表の原題は「Modern Roller Coaster Rides: A Potential Cardiovascular Risk?」