写真1 主会場のFira Gran Via 2。学術発表が始まる9月3日には好天に恵まれ、地中海の輝く太陽が照りつけた。

 南欧のオリンピック開催地、スペインのバルセロナで9月2日、第28回欧州心臓学会議・第15回国際心臓学会議ESC2006/WCC2006)が開幕した。国際心臓学連合(WHF)と欧州心臓学会議(ESC)の共同開催で、9月6日までの5日間にわたって開催される。

 今期のメーンテーマの一つは「心血管疾患と加齢」。初日午後には開会式が行われ、スペイン王室のソフィア王妃が開催を告げた。2日には開催式のほか、企業主催のサテライトセッションのみが行われ、3日からは、一般演題や臨床試験の最新報告などの学術発表が始まった。

写真2 心臓専門医などの医療職だけで2万5000人が参加、あちこちで渋滞が発生している。

 国際心臓学会議としての開催ということもあって、ESCとしては過去最大規模となっている。心臓専門医を中心とした参加者数は2万5000人を見込む。主会場のコンベンションセンター「Fira Gran Via 2」は米国並みの大規模施設だが、人混みは、バルセロナ中心部のカタルーニャ広場並みで、余裕をもって移動しないと目的の発表に間に合わないほどだ。

 一般演題は日本を含む94カ国から約1万600件の応募があり、その中から過去最高の3917演題が採用された。メーンテーマの「心血管疾患と加齢」に関連した発表は125本に上る。演題の8割に当たる3162演題はポスター発表で、このうち通常のポスターが2786題で、残りは、ポスター会場の一角に設置されたディスプレイで表示される「電子ポスター」と、日本の学会で一般的な短い口頭発表を行うモデレータポスターとなっている。一般口演は4日間に110セッションが予定されている。

写真3 開催宣言を行ったスペイン王室のソフィア王妃(中央)

 特別セッションは昨年よりも3割近く増え、229セッションが組まれている。「心血管疾患と加齢」に関連した発表は、29の特別セッションで取り上げられる。この中では、臨床試験の最新報告である「ホットライン」2セッション、既発表の臨床試験の長期成績やサブ解析データを報告する「臨床試験アップデート」3セッション、新たなガイドラインを発表する「臨床ガイドライン」2セッション、そして学会主導の大規模調査「欧州心臓調査(Euro Heart Survey)」の結果報告5セッションなど、充実したプログラムが組まれている。

 5日のホットラインでは、虚血性心疾患、または心不全を伴う日本人高血圧患者を対象としてアンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)投与のエビデンス構築を目指す「JIKEI Heart Study」の成果が報告される。また3日の臨床試験アップデートでは、日本を含む全世界6万人超を対象とした大規模前向き観察研究「REACH」の2年目の成績が報告された。