ロックやサルサなどのリズムに乗って踊るダンスは、4週間で心疾患患者運動能を約3割改善することが分かった。メキシコ国立心臓研究所のHermes Ilarraza 氏らが9月3日のポスターセッションで発表した。

 研究グループによれば、「心疾患患者において、運動による効果はすでに確認されているが、一部の患者は運動に飽きてしまうため、コンプライアンスは必ずしも十分ではない」。そこでダンスを心臓リハビリテーションの運動プログラムに取り入れることを発案、ダンスによって患者の運動能が改善するかどうかを調べた。

 対象は心疾患患者39人で、ダンスを行う群(19人)と自転車こぎを行う群(20人)にランダムに分けた。平均年齢はそれぞれ61歳と59歳。BMIは共に平均26だった。また冠動脈疾患の既往のある患者は、ダンス群では17人、自転車群では15人と8割以上を占めた。

 ダンス群は、サルサやロックンロール、ブルースなどの中から、患者の体力に合わせて音楽を選択し、毎日30分間、週に5日間行い、これを4週間続けた。運動の強度はボルグ指数で12〜14と、ややきつい程度だった。一方の自転車群は、ダンス群と同じ頻度で、最大心拍予備能の70%になるよう負荷を調節された自転車エルゴメーターで運動を行った。

 試験開始前と4週間後にトレッドミルによる運動負荷試験で患者の運動能の変化を、酸素消費量を基に示す指標であるメッツ(Mets)で比較したところ、ダンス群では6±2から7.7±2メッツと28%改善し、自転車群の31%(5.4±1.4メッツから7.1±2.1メッツ)とほぼ同水準で、いずれも有意な改善がみられた(P<0.01)。

 ダンス群と自転車群ではその改善度に有意な違いがないことから、研究グループでは、「娯楽性や社交性もあるダンスは、運動をする上で、魅力的な選択肢の一つ。運動を行う適切な動機になるだろう」としている。