オランダAcademic Medical CentreのGuus A. Westerhof氏

 発症早期の成人発症型喘息患者を追跡したオランダの前向き観察研究で、2年間の追跡終了時点で3人に1人が管理不良という実態が明らかになった。管理不良のリスク因子としては追跡開始時の喘息管理不良、慢性副鼻腔炎、喫煙が同定された。オランダAcademic Medical CentreのGuus A. Westerhof氏らの研究で、9月7日から11日にスペイン・バルセロナで開催された欧州呼吸器学会(ERS2013)で発表された。

 対象は発症1年未満の成人喘息患者200例。前向きに2年間追跡し、投薬状況、喘息管理質問票(ACQ)スコア、スパイロメトリー、呼気一酸化窒素(NO)、血中好酸球数を評価した。

 2年後の評価は125例で実施できた。喘息管理質問票(ACQ)スコア>1.5を管理不良と定義して、2年目の喘息管理状況から、患者を管理良好群と管理不良群の2群に分類した結果、管理良好群は89例、管理不良群は36例となり、約3分の1が管理不良例だった。

 両群について、2年目における各評価項目のベースラインに対する変化率を比較した。吸入ステロイド薬使用量(フルチカゾン換算量)の変化率は、管理良好群が−12%、管理不良群が−18%、ACQスコアの変化率は−35%(P<0.05)、13%(P<0.05)、気管支拡張薬投与後の1秒量(FEV1)の変化率はそれぞれ1.7%、3.2%(P<0.05)、気管支拡張薬投与後の1秒率(FEV1/FVC)の変化率はそれぞれ−2.2%(P<0.05)、−1.1%、呼気NOの変化率はそれぞれ−7%、−20%、血中好酸球数の変化率はそれぞれ−10%、−25%だった。

 次に、ベースラインにおける患者パラメータを群間で比較した。管理良好群では管理不良群に比べて、ベースラインにおける吸入ステロイド薬使用量(フルチカゾン換算量で250μg 対 500μg、P=0.007)、ACQスコア(1.0 対 1.9、P=0.000)、慢性副鼻腔炎の有病率(45% 対 71%、P=0.009)が有意に低く、呼気NO値が有意に高かった(P=0.027)。

 多変量ロジスティック回帰分析を実施したところ、喘息管理不良の有意なリスク因子として、ベースラインにおけるACQスコア高値(オッズ比[OR]:4.81、95%信頼区間[CI]:2.43-9.53)、慢性副鼻腔炎(OR:3.43、95%CI:1.22-9.64)、喫煙(OR:1.52、95%CI:1.09-2.12)が同定された。

 ROC解析でこれら3因子を組み合わせたところ、喘息管理不良の予測能は向上し、曲線下面積(AUC)は0.84(95%CI:0.76-0.91)となった。

 これらの結果からWesterhof氏は、「成人発症型喘息における管理不良のリスク因子が明らかになり、高リスク群をより早期に、かつ簡便に捕捉できるようになった。管理不良例では綿密なモニタリングと個別的な治療が必要と考えられる」と結論した。