英国St George's, University of LondonのPaul W. Jones氏

 欧州の1次医療施設を受診した慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の半数は心血管疾患(CVD)を合併しているが、CVD合併の有無で%1秒量に有意な差はなく、中等度から重症の増悪頻度も同程度であることが示された。COPDの増悪とCVDの関連についての前向き観察研究であるACCESS Studyのサブ解析結果で、9月7日から11日にスペイン・バルセロナで開催された欧州呼吸器学会(ERS2013)で、英国St George's, University of LondonのPaul W. Jones氏らが発表した。

 これまでの研究から、COPD患者ではCVDが増加すること、高い増悪頻度は心血管イベントと関連していること、CVD患者ではCOPD関連入院や救急外来受診率のリスクが増加することなどが報告されている。

 ACCESS Studyは、COPD患者の増悪とCVDの関連について24カ月追跡した前向き観察研究。今回の解析では、COPD患者をCVD合併の有無で分け、12カ月間の増悪に関するデータを後ろ向きに解析した。

 対象は、欧州6カ国の1次医療機関で治療を受けている40歳以上のCOPD患者で、発症から12カ月以上経過し、気管支拡張薬使用後の1秒率(1秒量/努力肺活量)が0.7未満で、喫煙歴が10年以上の2965人。国別の登録内訳は、ドイツ736人、スペイン713人、ポーランド580人、オランダ418人、フランス351人、ベルギー167人だった。

 解析の結果、CVDを有するCOPD患者(CVD群)は1421人(47.9%)と、およそ半数を占めた。

 CVD群は非CVD群に対し、高齢(70歳 対 63歳)、男性割合が高い(77% 対 64%)、現在喫煙率が低い(39% 対 55%)などの特徴があったが、気管支拡張薬後の%1秒量は両群間に差はなかった(59% 対 60%)。

 GOLDステージ(病期)の割合は、CVD群ではステージ1/2/3/4が順に13%、53%、28%、6%、非CVD群は同じく16%、51%、26%、7%で、両群に有意な差は見られなかった。

 COPD質問票の1つであるmMRCを用いて呼吸困難グレードを評価したところ、CVDの有無によってグレード分類に有意差が見られた(P<0.01)。非CVD群では呼吸困難グレード0/1の割合が高かったのに対し、CVD群では、より重症なグレード2/3/4の割合が高かった。

 また、ベースライン時において、抑うつ・不安を反映する心理測定尺度のHADSスコア(8点未満、8点以上の患者割合)を比較したところ、CVD群と非CVD群で有意差はなかった。

 1年間の中程度から重症の増悪頻度についても、両群に有意な差は認められなかった。

 これらの結果から、Jones氏は「1次医療を受診したCOPD患者の半数はCVDを有していた。CVDを合併したCOPD患者の特徴として、高齢で男性に多く、BMIが高い、喫煙率が低い、mMRCスコアが高い、入院率が高いなどが挙げられたが、%1秒量についてはCVDの有無で有意な差は見られなかった。中程度から重症の増悪頻度は同程度だった」とまとめた。