デンマークCopenhagen UniversityのPeter Lange氏

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者における夜間睡眠障害の合併は、増悪やCOPDによる入院、全死亡のリスク因子であることが示された。COPD患者を5年間追跡した研究で明らかになったもので、9月7日から11日にスペインのバルセロナで開催された欧州呼吸器学会(ERS2013)で、デンマークCopenhagen UniversityのPeter Lange氏らが発表した。

 研究グループは、コペンハーゲン地域の一般集団を対象にした2つの前向き研究のデータから、国際的なCOPDガイドラインGOLDに基づいて診断したCOPD患者6616人を抽出。夜間睡眠障害の有無を調べた上で、5年間追跡した。夜間睡眠障害は、「夜間に呼吸困難で時々目が覚めますか」という質問で判定した。

 解析の結果、COPD患者における夜間睡眠障害の有病率は4.3%(283人)だった。GOLD総合的評価で層別化すると、グループAの有病率は2.1%、グループBは12.9%、グループCは2.6%、グループDは16.3%だった。

 夜間睡眠障害を有するCOPD患者(夜間睡眠障害あり群)は夜間睡眠障害がないCOPD患者(夜間睡眠障害なし群)に対し、%1秒量が低く(71.4% 対 79.7%)、気管支炎罹患率(48.2% 対 18.3%)、喘鳴保有率(64.7% 対 26.5%)、前年の増悪頻度(6.4% 対 1.8%)が高かった。

 また、夜間睡眠障害あり群では、夜間睡眠障害なし群と比べ、虚血性心疾患、心房細動、糖尿病、疲労感やストレスを感じる割合がおよそ2倍だった。

 5年間の追跡期間中の増悪発現率は、夜間睡眠障害あり群が20.1%、なし群が9.9%、COPDによる入院はそれぞれ14.8%、5.0%、死亡は14.1%、8.7%だった(それぞれP<0.001、P<0.001、P=0.004)。

 性別と年齢で調整した夜間睡眠障害あり群の増悪のハザード比は2.28(95%信頼区間[CI]:1.74-3.00)、COPDによる入院は3.18(95%CI:2.30-4.39)、全死亡は1.65(95%CI:1.19-2.27)だった。

 これらの結果からLange氏は、「夜間睡眠障害なし群と比べ、夜間睡眠障害あり群では疾患が進行し、合併症も多かった。COPD患者において夜間睡眠障害は、増悪、COPDによる入院、全死亡のリスク因子であることが示された」と語った。