スウェーデンUmea UniversityのRobert Linder氏

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は、非COPD患者と比べ、炎症性マーカーであるマトリックス・メタロプロテアーゼ9(MMP-9)濃度が有意に高かったことが示された。また、MMP-9濃度は%1秒量と逆相関した。北部スウェーデン閉塞性肺疾患研究(OLIN Study)からの報告として、9月7日から11日にスペインのバルセロナで開催された欧州呼吸器学会(ERS2013)で、スウェーデンUmea UniversityのRobert Linder氏らが発表した。

 これまでの研究から、COPDの病態形成には炎症が重要な役割を果たしていることが指摘されている。だが、COPDの重症度と相関する炎症性バイオマーカーに関する研究は少ない。

 そこでLinder氏らは、%1秒量(1秒量実測値÷1秒量予測値×100)の値、喀痰を伴う慢性的な咳(CPC)の有無、COPDの有無と、血漿中の炎症性マーカー(MMP-9、TIMP-1)との関連について検討した。

 対象は、2002〜2004年に選出したCOPD患者993人と非COPD患者993人の合計1986人。COPD患者は、1秒量(FEV1)/努力肺活量(FVC)が0.7未満。非COPD患者は、COPD患者と年齢・性をマッチさせた。

 2005年にスパイロメトリーを実施したほか、インタビューを行い、血液サンプルを採取した。1621検体が得られ、MMP-9とTIMP-1をELISA法で測定した。

 患者背景は、平均年齢が67歳、身長が168cm、体重が76kg、BMIが27kg/m2。生涯非喫煙者は34.8%(691人)、過去喫煙者は37.4%(743人)、喫煙者は18.4%(366人)。CPC症状を有するCOPD患者は10.2%(203人)、CPC症状を有さないCOPD患者は13.4%(266人)、CPC症状を有する非COPD患者は13.8%(274人)、CPC症状を有さない非COPD患者は44.3%(880人)だった。

 解析の結果、COPD患者における血漿中MMP-9濃度は、非COPD患者と比べて有意に高かった(中央値612ng/mL 対 550ng/mL、P=0.029)。また、CPC症状を有するCOPD患者のMMP-9濃度は、CPC症状を有さない非COPD患者と比べて有意に高かった(666ng/mL 対 539ng/mL)。

 単変量解析では、%1秒量はMMP-9濃度と有意な逆相関関係が見られた(r=−0.141、P<0.001)。

 これらの結果からLinder氏は、「COPD患者ではMMP-9濃度が有意に上昇するほか、%1秒量とMMP-9濃度は逆相関することが示された。CPC症状を有するCOPD患者でMMP-9濃度がさらに上昇したことから、気管支炎患者においては全身性炎症反応が増強され、増悪のリスクが上昇していることが示唆された」と語った。