ニュージーランドUniversity of AucklandのChristopher Bullen氏

 禁煙成功と喫煙本数の低減などを評価項目として電子タバコ(electronic cigarettes:EC)の有用性を検討した臨床試験の結果、ニコチン含有の有無にかかわらず、電子タバコにはニコチンパッチと同程度の禁煙効果があること、喫煙本数の軽減や、依存症状・禁断症状の軽減には、ニコチン含有の電子タバコがニコチンパッチよりも有効性が高いことが示唆された。9月7日から11日までスペイン・バルセロナで開催中の欧州呼吸器学会(ERS2013)で、ニュージーランドUniversity of AucklandのChristopher Bullen氏らが報告した。

 本研究の対象は年齢18歳以上、喫煙本数1日10本以上の禁煙を希望する成人喫煙者657例とした。対象者を、ニコチン16mgを含有する電子タバコ群(ニコチンEC群、289例)、ニコチン21mgを含有するニコチンパッチ群(295例)、ニコチンを含有しない電子タバコ群(プラセボEC群、73例)の3群に無作為に割り付け、軽度の行動支援の下で13週間使用した。

 ベースラインにおける3群の背景データ、喫煙データに違いは認められなかった。

 主要評価項目とした6カ月目の禁煙持続率は、ニコチンEC群7.3%、ニコチンパッチ群5.8%、プラセボEC群4.1%と群間に有意差はなく(P=0.46)、ニコチン含有の有無にかかわらず、ECとニコチンパッチの禁煙効果は同程度と考えられた。

 副次評価項目とした1日当たりの喫煙本数の減少率は、ニコチンEC群では57%と、ニコチンパッチ群の41%(リスク差[RD]15.39, 95%信頼区間[CI] 7.38-23.40)、プラセボIC群の45%に比べて有意に大きかった。

 また、依存症状および禁断症状スコアは、ニコチンパッチ群に比べてニコチンEC群で有意に低かった。

 喫煙再開までの期間(中央値)は、ニコチンEC群で35日と、ニコチンパッチ群の14日に比べて有意に長く(対ニコチンEC群、P=0.0001)、プラセボEC群の12日(同、P=0.09)と比べても長い傾向が見られた。

 有害事象の発現率とその重症度には群間で有意差は認められず、EC使用に伴うリスクはニコチンパッチ使用時のリスクを上回ることはないと考えられた。

 これらの結果からBullen氏は、「本研究から示された結果と、実際に多くの喫煙者が電子タバコを使用している状況から考えて、電子タバコが公衆衛生に及ぼす影響は大きく、ニコチンの送達法や信頼性が改善され、電子タバコの価格が下がれば、禁煙手段として今まで以上の活用が期待される。今後、電子タバコの有害事象、禁煙、喫煙本数の減少に関する長期データが必要だ」と述べた。

 なお、ニュージーランドではニコチン入り電子タバコの販売は認められておらず、医師の処方による提供となる可能性が高いという。