スウェーデンUppsala UniversityのBjorn Stallberg氏

 537人の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者をフォローアップした研究で、COPDの国際ガイドラインであるGOLDの総合的評価が7年後にどのように変化したかを調べたところ、およそ4割で評価が変化し、将来の増悪リスクが低リスクだった患者の25%は高リスクへと変わった。スウェーデンのCOPD患者を対象としたPRAXIS Studyの結果で、9月7日にスペインのバルセロナで開幕した欧州呼吸器学会(ERS2013)で、スウェーデンUppsala UniversityのBjorn Stallberg氏らが発表した。

 同氏らは、2005年にスウェーデンにおいて1次医療施設もしくは2次医療施設を受診し、COPDと診断された34〜75歳の患者1548人を無作為に抽出した。

 COPD質問票の1つであるCCQ、増悪歴などについて初年度(2005年)に情報を収集。スパイロメトリーの測定データは2000〜2003年の記録から得た。2012年に再度、これらのデータを集めた。

 COPDの総合的評価(グループA〜D)は、症状を評価する「CCQスコア」と、「増悪リスク」を組み合わせて判定した。増悪リスクは、スパイロメトリーによる気流閉塞のGOLD分類(1、2は気流閉塞が軽度または中等度、3、4は気流閉塞が重度または最重度)、もしくは過去1年間の増悪回数のいずれか高いリスク評価を使用した。

 グループAは、CCQスコアが1以下かつGOLD分類が1、2または過去1年間の増悪歴が0または1回。グループBは、CCQスコアが1超かつGOLD分類1、2、または過去1年間の増悪歴が1回以下。グループCは、CCQスコアが1以下かつGOLD分類3、4、または過去1年間の増悪歴が2回以上。グループDは、CCQスコアが1超かつGOLD分類3、4、または過去1年間の増悪歴が2回以上とした。グループAとBは将来の増悪リスクが低く、グループCとDは将来の増悪リスクが高いことを示す。

 解析可能だった802人のうち、死亡した302人と住居不明の9人を除いた573人(71%)について解析を実施した。患者の92%は、2005年、2012年ともにGOLD総合的評価が可能だった。 

 患者の平均年齢は70歳(2012年時点)、女性割合は59%。喫煙率は2005年時点で26%、2012年時点では16%で有意差が見られた(P<0.001)。

 2005年時点のGOLD総合的評価は、グループAが23%、グループBが39%、グループCが4%、グループDが34%で、2012年時点はそれぞれ19%、38%、4%、40%だった。

 患者の39%は、2005年から2012年の7年間でGOLD総合的評価のグループが変化した。低リスク(グループAまたはB)の患者の25%は7年後に高リスク(グループCまたはD)になった。

 2005年時点でグループAだった患者(119人)の約5割はグループAのままで、3割弱がグループBになった。また、2005年時点でグループBだった患者(207人)の6割がグループBのままで、3割弱がグループDに、2005年時点でグループCだった患者(20人)の約2割がグループCのまま、グループDだった患者(181人)の7割はグループDのままで、2割がグループBになった。

 性別と年齢で調整した結果、2005年時点で低リスクグループだった患者のうち、毎日喫煙していた患者が2012年に高リスクグループになるオッズ比は2.25(95%信頼区間:1.29-3.94)だった。

 これらの結果からStallberg氏は、「7年間で多くのCOPD患者のGOLD総合的評価が変化した。毎日喫煙すると将来の増悪リスクが上昇する可能性が示唆された」とまとめた。また、解析の限界点として、グループCの患者数が20人と少ないことを挙げた。