アストラゼネカ社のC.D. Sjöström氏

 ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT)2阻害薬であるdapagliflozinDAPA)によってHbA1c値および血圧値が低下することが報告されているが、同時に誘導される体重の減量もHbA1c値および血圧値の低下に寄与していることが示された。DAPAの効果を検討した7つの試験のデータ解析で明らかになった。アストラゼネカ社のC.D. Sjostrom氏らが9月23〜27日にバルセロナで開催された欧州糖尿病学会(EASD2013)で報告した。

 2型糖尿病患者において減量は、血糖コントロール、脂質プロファイルおよび血圧を改善することが示されている。しかし、比較的少ない減量の場合に、心血管リスクプロファイルの改善に有意に寄与するかどうかは明らかになっていない。そこで演者らは、dapagliflozin(DAPA)による24週間の治療後に達成した減量と、HbA1cあるいは血圧の低下との関連性を直線回帰分析を用いて検討した。

 対象としたデータは、DAPA10mgの単独療法あるいは他の糖尿病治療薬(メトホルミン、SU薬、チアゾリジンジオン、インスリン)との併用療法を検討した7つの試験から収集した。調査した共変数は、ベースラインの年齢、HbA1c、推定糸球体濾過量、体重、座位収縮期および拡張期血圧のほか、性別、体重の変化、喫煙の有無、ベースラインでの降圧薬使用などだった。

 検討の結果、統合した被験者のベースラインでの患者背景は、DAPA群(n=1066、男性:47.9%、平均年齢:55.0歳、平均HbA1c値:8.3%、平均体重:88.7kg)とプラセボ群(n=988、男性:49.6%、平均年齢:56.0歳、平均HbA1c値:8.3%、平均体重:88.1kg)で同等だった。

 24週間の体重変化をみると、補正平均体重のベースラインからの変化は、プラセボ群が−0.27kg(95%信頼区間[CI]:−0.51〜−0.03)だったのに対し、DAPA群は−2.29kg(95%CI:−2.53〜−2.05)と大きく減少していた。

 注目した24週間のHbA1c、収縮期血圧、拡張期血圧の変化については、プラセボ群に比べてDAPA群の方で補正平均の大幅な減少がみられた。具体的には、HbA1cはプラセボ群の−0.60%(95%CI:−0.66〜−0.54)に対し、DAPA群が−1.10%(95%CI:−1.15〜−1.04)、収縮期血圧はプラセボ群の−1.04mmHg(95%CI:−1.93〜−0.16)に対しDAPA群が−4.72mmHg(95%CI:−5.67〜−3.76)、拡張期血圧はプラセボ群の−0.57mmHg(95%CI:−1.11〜−0.02)に対しDAPA群が−2.36mmHg(95%CI:−2.95〜−1.77)だった。

 直線回帰分析を用いて、HbA1c、収縮期および拡張期血圧の変化に対する体重変化の寄与度を推定した。その結果、HbA1c減少について、体重変化変数のβ値(HbA1c%/kg)は0.028(P<0.0001)と推定された。体重減量自体の寄与度をみたところ、DAPA群において3kgの減量は、HbA1c値減少の8.0%に寄与していると考えられた。

 一方、収縮期および拡張期血圧の減少については、体重変化変数のβ値(mmHg/kg)はそれぞれ0.606(P<0.0001)、0.253(P<0.0001)と推定された。同様に体重減量自体の寄与度をみたところ、DAPA群では3kg減量した場合、収縮期血圧低下全体のおよそ37%に、拡張期血圧低下全体のおよそ32%に寄与していた。

 これらの結果から演者らは、「今回の統合分析の結果は、DAPAによる治療中には、治療自体の効果の上に減量という効果が加わり、それがHbA1cの全体の変化、また特に血圧の変化に寄与することを示している」と結論した。