ドイツ・Profil InstituteのTim Heise氏

 持効型溶解インスリンアナログ製剤であるインスリン デグルデク(以下、デグルデク)と超速効型インスリンアナログ製剤のインスリン アスパルト(以下、アスパルト)を7対3で配合した配合製剤(以下、IDegAsp)は、1型糖尿病患者において、用量に比例した血糖降下作用を発揮することが確認された。9月23〜27日にバルセロナで開催された欧州糖尿病学会(EASD2013)で、ドイツ・Profil InstituteのTim Heise氏らが発表した。

 IDegAspは、持効型インスリンアナログと超速効型インスリンアナログとが配合されたはじめてのインスリン製剤。Heise氏らはこれまでに、デグルデクの反復投与でデグルデクが定常状態になった場合、IDegAsp投与後のアスパルトによる明確な追加インスリン作用のピークと、デグルデクによる24時間以上にわたる一定かつ安定した基礎インスリン作用が得られることを報告している。

 今回、1型糖尿病患者33例(うち男性28例)を対象に、IDegAspの臨床用量における薬力学的な用量比例性を検討した。対象患者の平均年齢は39.0歳で、平均BMIは25.1 kg/m2、平均糖尿病罹病期間17.2年、平均HbA1c値8.0%、平均空腹時血中Cペプチド0.02nmol/Lだった。

 患者は12カ月以上、インスリン療法(総インスリン<1.2 U/kg/日)を受けており、それぞれ異なった日に計4回、正常血糖グルコースクランプ法を施行した。投与するインスリン製剤と投与量は、IDegAspの0.4 U/kg、0.6 U/kg、0.8 U/kgと、二相性インスリン製剤(以下、BIAsp 30)の0.4 U/kg、0.6 U/kg、0.8 U/kgの6通りで、患者はこの中から4通りの投与を受けるよう無作為割り付けされた。

 正常血糖グルコースクランプ法により、投与24時間までのグルコース注入速度(GIR)の曲線下面積、最大GIRを指標に用量比例性を評価し、最大GIR到達時間を測定した。

 IDegAspの投与量の増加に伴い、GIRの曲線下面積(用量[対数変換後]に対するGIRの曲線下面積[対数変換後]の傾きの推定値:1.19、95%信頼区間[CI]:0.99‐1.40)、最大GIR(95%CI:0.89、0.66‐1.13)はいずれも増加しており、用量比例性が認められた。

 IDegAsp単回投与時のGIR推移プロファイルは、アスパルトによる明確なピークが得られた後に低下し、その後はデグルデクによる一定で安定したプロファイルを示した。これは、デグルデクの定常状態後にIDegAspを単回投与した後に得られるGIR推移プロファイルとほとんど同一で、単回投与のため定常状態におけるデグルデクによる作用がない分、全体的にやや下方に移動した形になった。

 一方、BIAsp 30単回投時のGIR推移プロファイルは、18〜22時間後には作用が消失するとともに、アスパルトによるピークを迎えた後の作用の低下が緩やかになり、約6〜12時間後に「肩」が出現した。これは生理的インスリン分泌では見られない現象で、アスパルトによるピークの後にプロタミン結晶化アスパルトによるピークが重なったためとみられる。

 Heise氏は、「IDegAspは、臨床用量で用量に比例した作用を得られることが確認できた。投与後に明確なピークを有し、その後一定かつ安定に保たれるGIR推移プロファイルは、アスパルトによる追加インスリンの作用とデグルデクによる基礎インスリン作用が、それぞれ独立して発揮されることを示している。より生理的に近いインスリン作用が得られることから、低血糖の回避やより良好な血糖コントロールといった臨床的な利益が期待できるだろう」と述べた。