ドイツ・Diabetes Center Bad LauterbergのMichael A. Nauck氏

 メトホルミンによる治療を受けている2型糖尿病患者を対象に、週1回投与の新規GLP-1受容体作動薬であるdulaglutideDPP-4阻害薬であるシタグリプチンの効果を比較したところ、dulaglutide群では、シタグリプチン群と比べてHbA1c値が有意に低くなり、体重も減少したことが示された。無作為化二重盲検プラセボ対照試験(AWARD-5)の結果から明らかになったもので、ドイツ・Diabetes Center Bad LauterbergのMichael A. Nauck氏らが、9月23日から27日までバルセロナで開催された欧州糖尿病学会(EASD2013)で発表した。

 対象は経口糖尿病治療薬を服用している2型糖尿病患者1098人。食事療法をしており、HbA1c値は7.0%(53.0mmol/moL)以上、9.5%(80.3mmol/moL)以下。BMIは25kg/m2以上40kg/m2以下。明らかな心臓血管系、肝臓、腎臓、内分泌系、自己免疫性の疾患がある患者や、過去6カ月以内にGLP-1受容体作動薬と似た作用の薬剤で治療をうけた患者は除いた。被験者全体の平均年齢は54歳、HbA1c値は8.1%(65mmol/moL)、体重86.4kg、糖尿病罹患歴7年だった。

 同患者をdulaglutide 1.5mg投与群(DU 1.5群、304人)、dulaglutide 0.75mg投与群(DU 0.75群、302人)、シタグリプチン投与群(シタグリプチン群、100mg/日、315人)、プラセボ群(177人)に2:2:2:1に無作為に割付け、それぞれ経過を追った。なお、26週間後にプラセボ群は盲検でシタグリプチンに移行した。

 試験開始時の患者背景は、各群間において著しい差はなかった。

 介入の結果、26週時点において、HbA1c値のベースラインからの平均変化量は、DU 1.5群が−1.22%、DU 0.75群が−1.01%、シタグリプチン群が−0.61%、プラセボ群が0.03%だった。DU 1.5群、0.75群、シタグリプチン群とも、プラセボ群より有意に低下していた(P<0.001)。また、DUの2群はシタグリプチン群より有意な低下だった。

 一方、52週時点において、ベースラインからのHbA1c値の平均変化量は、DU 1.5群が−1.10%、DU 0.75群が−0.87%、シタグリプチン群が−0.39%だった。この3群の比較では、DU 1.5群、0.75群とも、シタグリプチン群より有意に低下していた(P<0.001)。

 体重については、52週時点のベースラインからの平均変化量は、それぞれ−3.22kg、−2.70kg、−1.63kgで、DUの2群ともシタグリプチン群より有意に減少していた(P<0.05)。

 なお、52週時点で、DU 1.5群の66人、DU 0.75群の59人、シタグリプチン群の77人、プラセボ群の65人がそれぞれ脱落した。

 一方、安全性については以下の通りとなった。ベースライン時の3群(DU 1.5群、DU 0.75群、シタグリプチン群)において、52週時点までの有害事象は、それぞれ233件、231件、219件が確認された。内訳をみると、吐き気などがDU 1.5群は17.4%、DU 0.75群は13.9%、シタグリプチン群5.1%。下痢は順に、14.5%、9.9%、2.9%だった。嘔吐は12.8%、7.6%、2.2%だった(統計的な有意差検定は実施せず)。

 また26週までの平均低血糖発生数(3.9mmol/L以下、イベント/患者/年)は、DU 1.5群は0.4、DU 0.75群は0.3、シタグリプチン群は0.1だった。一方、重度の低血糖は、どの群にも認められなかった。

 これらの結果からNauck氏は、「dulaglutideの投与群は、1.5mgと0.75mgのどちらもシタグリプチン群よりも血糖コントロールをより良く改善することが示された」とまとめた。