ドイツErlangen大学のS.Friedrich氏

 治療抵抗性高血圧で糖尿病がある患者では、ない患者に比べて、死亡リスクは1.5倍に増大し、心血管リスクも増大することが分かった。また、糖尿病のある高血圧患者は、非糖尿病の人に比べ、治療抵抗性高血圧である可能性も高いことも示唆された。ドイツErlangen大学のS. Schmidt氏らが、約1万5000人の高血圧患者について行った前向き試験で明らかにしたもので、9月23日から27日までバルセロナで開催された欧州糖尿病学会(EASD2013)で、共同研究者のS.Friedrich氏が発表した。

 Schmidt氏らは、2008年10月から2009年4月にかけて、899人の医師を通じ、新たに高血圧症の診断を受けた人、または既に診断を受けながら血圧コントロールができていない人で、医師が高血圧治療を開始または変更した患者、合わせて1万4988人について調査を開始した。なお、治療抵抗性高血圧の定義は、利尿薬を含む3種の薬剤を適正量服用しながら、血圧値が140/90mmHg以上とした。

 被験者の、1年後の追跡率は90%(1万3455人)、2年後の追跡率は8698人(58%)だった。

 2年後に追跡可能だった被験者のうち、治療抵抗性高血圧は2772人(32%)に上った。そのうち糖尿病患者は1170人と、糖尿病患者の46.6%に上った。一方、非糖尿病で治療抵抗性高血圧の人は1602人と、その割合は26%で、糖尿病患者に比べ20%ポイントも低かった(P<0.001)。

 2年間の総死亡率は、非糖尿病群では2.9%(47人)だったのに対し、糖尿病群では4.4%(52人)とおよそ1.5倍に上った(P<0.05)。死因の内訳について見てみると、突然死以外の心血管死が、非糖尿病群では死亡全体の8.5%にとどまったのに対し、糖尿病群では25%と、3倍以上だった(P<0.05)。

 主要心脳血管イベントの発生率もまた、治療抵抗性高血圧全体では4.8%(132人)で、そのうち、非糖尿病群の同発生率は3.8%(60人)だったのに対し、糖尿病群では6.2%(72人)と、有意に高率だった(P<0.01)。

 心筋梗塞発症率についても、非糖尿病群では0.6%だったのに対し、糖尿病群では1.3%、脳卒中についてはそれぞれ0.8%と1.4%と、有意差には至らなかったものの糖尿病群で高率の傾向が認められた(それぞれP=0.07、P=0.15)。

 Friedrich氏は、治療抵抗性高血圧の中でも特に糖尿病の人については、「最低でも血圧値を140/90mmHg以下に保つよう、より積極的な血圧コントロールが大切だ」と結論付けた。