イタリアBologna大学のG. Marchesini氏

 イタリアの調査で、糖尿病患者で重度低血糖イベントにより病院救急部門を訪れた人のうち、インスリンの単独投与をしていた人は約半数、また経口治療薬のみを服用していた人は約3割に上ることが分かった。また、救急部門で診察を受けた人の約3分の1が入院を要するなど、低血糖イベントが糖尿病患者と医療資源にとって大きな負担となっている現状も浮き彫りになった。イタリアBologna大学のG. Marchesini氏らが、46カ所の病院救急部門のデータを元に行った後ろ向き試験で明らかにしたもので、9月23日から27日までバルセロナで開催された欧州糖尿病学会(EASD2013)で発表した。

 Marchesini氏らは、人口約1200万人の地域にある46カ所の病院救急部門で、2011年1月から2012年6月にかけて、低血糖イベントにより診察を受けた人のうち、糖尿病患者の3516人について調査を行った。

 被験者の年齢は1〜102歳で、平均年齢は70歳、うち男性は50.5%だった。糖尿病歴の中央値は40カ月、救急部門診察時の血糖値は平均45mg/dLだった。

 被験者のうち、インスリンの単独投与をしている人は1754人と、およそ半分を占めた。経口糖尿病治療薬のみの服用は1107人(31%)、インスリンと経口治療薬の併用は532人(15%)だった。糖尿病の治療を受けていないか、治療内容が不明だった人は、123人だった。なお、GLP-1受容体作動薬を服用している人はいなかった。また、外傷を伴う人は287人で、そのうち交通事故は47人に上った。

 救急部門診察後の情報が得られた3385人のうち、プライマリケア医に送られた人は1432人と最も多かった。続いて、入院が1116人だった。死亡は5人だった。

 入院患者でその情報が得られた898人について見てみると、入院日数の中央値は6日(1〜60日)、また入院中に死亡したのは88人(9.8%)だった。他の施設や長期介護施設に移ったのは、50人(5.7%)だった。また、年齢補正後、入院中の死亡に関連していたのは、癌(オッズ比:1.94)と栄養失調(オッズ比:2.0)だった。

 今回の検討の結果、人口約6000万人のイタリア全体では、年間約1万2000人の糖尿病患者が、重度低血糖イベントにより病院救急部門を訪れ、そのうち約6000人が院外救急サービスを必要とすると推定された。Marchesini氏はさらに、外傷や交通事故を伴う症例については、おそらく重度低血糖が外傷や交通事故の原因だった可能性が高い点も指摘した。