オーストラリアRoyal North Shore HospitalのGregory Fulcher氏

 持効型インスリンアナログ製剤であるインスリン デグルデク(以下、デグルデク)と超速効型インスリンアナログ製剤のインスリン アスパルト(以下、アスパルト)を7対3で配合した配合製剤(IDegAsp)は、二相性インスリンアスパルト30(以下、BIAsp 30)に比べ、空腹時血糖の低下や低血糖発現リスクの低減に優れることが分かった。オーストラリアRoyal North Shore HospitalのGregory Fulcher氏らが、9月23〜27日にバルセロナで開催された欧州糖尿病学会(EASD2013)で発表した。

 Fulcher氏らが今回報告した第3相試験は、10カ国50施設が参加した非盲検の無作為割り付け並行群間比較試験。投与期間は26週で、空腹時血糖値が目標値となるようにあらかじめ定められたアルゴリズムに従ってインスリン投与量を調節するtreat-to-target法で実施された。

 対象は、試験登録前に1日1〜2回の混合型インスリンあるいはself-mixedインスリンを投与し、必要に応じて経口血糖降下薬を併用していても血糖コントロールが不十分だった2型糖尿病患者。年齢が18歳以上、Hba1c値が7〜10%、BMIが40kg/m2以下の447例が、IDegAsp群(224例)とBIAsp 30群(222例)に割り付けられた。

 IDegAspまたはBIAsp 30を朝食前と夕食前の1日2回、26週間投与した。試験開始時のインスリン投与量は、試験前に1日2回投与を行っていた患者はそのままとし、1日1回投与を行っていた患者はその投与量を朝食前と夕食前に1対1の割合で分割した。その後は、直前3日間の朝食前および夕食前の空腹時血糖の平均値に基づいて投与量を調節した。

 主要評価項目はベースラインからのHbA1cの変化量とし、IDegAspのBIAsp 30に対する非劣性を検証した(非劣性限界値:0.4%)。副次評価項目は、空腹時血糖値、1日9点血糖自己測定(SMBG)プロファイル、および体重の26週時の変化とした。安全性の評価は、全ての低血糖(血糖値56mg/dL未満及び第三者による処置が必要な低血糖と定義)および夜間低血糖(全ての低血糖のうち午前0時01分〜午前5時59分に発現)を指標とした。

 両群の性別、年齢、体重、BMI、糖尿病罹病期間、HbA1c、空腹時血糖値、前治療に差はなかった。ベースラインのHbA1c平均値は、IDegAsp群が8.3%、BIAsp 30群が8.4%だったが、26週後には両群ともに7.1%に低下した。BIAsp 30群に対するIDegAsp群の変化量の投与群間の差(推定値)は−0.03%(95%信頼区間[CI]:−0.18‐0.13、P<0.01)であり、非劣性が検証された。

 空腹時血糖は、IDegAsp群がベースラインの8.9 mmol/Lから5.8 mmol/Lに、BIAsp 30群も8.6 mmol/Lから6.8 mmol/Lにそれぞれ低下したが、BIAsp 30群に対するIDegAsp群の変化量の差(推定値)は−1.14 mmol/L(95%CI:−1.53〜−0.76、P<0.001)であり、IDegAsp群が有意に大きかった。

 SMBG平均値の低下はIDegAsp群がBIAsp 30群に比べて大きく、平均体重の変化はIDegAsp群がBIAsp 30群に比べて小さかった。26週時の1日の平均インスリン投与量も、IDegAsp群の方が少なかった。

 全ての低血糖はIDegAsp群の患者の66.1%、BIAsp 30群の患者の68.9%に認めた。IDegAsp群の患者当たりの年間発現件数は9.7件/人・年となり、BIAsp 30群は14件/人・年だった。投与群間の比の推定値は0.68(95%CI:0.52‐0.89、P=0.002)であり、IDegAsp群で有意に少なかった。

 夜間低血糖はIDegAsp群が0.7件/人・年で、BIAsp 30群が2.5件/人・年であり、投与群間の比の推定値は0.27(0.18‐0.41、P<0.0001)で有意に小さかった。維持期間である16週以降に限定した解析では、リスクの減少はより大きなものだった。

 有害事象を発現した患者の割合はIDegAsp群65.6%、BIAsp 30群63.1%と同程度で、それらのほとんどが中等度以下だった。重篤な有害事象はIDegAsp群19例、BIAsp 30群36例で、低血糖および低血糖性の意識喪失がほとんどだった。

 Fulcher氏は以上の結果を踏まえ、「BIAsp 30に比べてIDegAspは、HbA1cの低下は同程度だが空腹時血糖値をより低下させ、インスリン投与量を減らし、低血糖のリスクも低下させた。1回の投与で注射後の食後血糖上昇がコントロールされると同時に、24時間にわたり基礎インスリンが維持されることは、患者にとって福音となるだろう」と強調した。