フランスUniversity of Franche-ComteのAlfred Penfornis氏

 フランスにおけるリラグルチドの市販後調査を兼ねて行われたEVIDENCE研究の事後解析から、リラグルチドは2型糖尿病の早期に投与を開始することで、より大きな血糖降下作用が期待できることが分かった。9月23日から27日までバルセロナで開催された欧州糖尿病学会(EASD2013)で、フランスUniversity of Franche-ComteのAlfred Penfornis氏が報告した。

 今回Penfornis氏らは、1年間のリラグルチド投与によるHbA1cの低下効果について、糖尿病罹病期間(0〜5年、6〜10年、10年超)および投与開始時の治療内容(経口血糖降下薬[OAD]1剤、2剤、3剤以上、インスリン±OAD)で層別した解析を行った。

 投与開始時のデータがある3137例中2433例(77.6%)が、1年後も投与を継続していた。このうち糖尿病罹病期間については2297例(94.4%)、試験開始時の治療内容については2161例(88.8%)のデータが得られた。

 糖尿病罹病期間別にみると、0〜5年が689例(30.0%)、6〜10年が800例(34.8%)、10年超が808例(35.2%)だった。リラグルチド投与によるベースラインからのHbA1cの有意な低下は、糖尿病罹病期間にかかわらず一貫して認められた(0〜5年:−1.22%、6〜10年:−1.01%、10年超:−0.76%、いずれもP<0.0001)。

 糖尿病罹病期間が短い患者群(0〜5年、6〜10年)では、長い患者群(10年超)に比較して、HbA1cの低下がより大幅だった。10年超に対するHbA1cの差の推定値(ETD)は、0〜5年が−0.46%(P<0.001)、6〜10年が−0.25%(P=0.002)だった。0〜5年と6〜10年の間には、有意差はなかった。

 リラグルチド投与開始時の薬物療法の内容は、OAD 1剤が413例(19.1%)、OAD 2剤が791例(36.6%)、OAD 3剤以上が640例(29.6%)、インスリン±OADが317例(14.7%)だった。

 リラグルチド投与によるベースラインからのHbA1cの有意な低下は、これらの治療内容にかかわらず一貫して認められた(1剤:−1.40%、2剤:−1.14%、3剤以上:−0.74%、インスリン±OAD:−0.73%、いずれもP<0.0001)。

 投与開始時の薬物療法がOAD 1剤または2剤の患者では、3剤以上またはインスリン±OADの患者と比較して、より大きなHbA1c低下が認められた。OAD 3剤に対するETDは、1剤が−0.66%(P<0.001)、2剤が−0.40%(P<0.001)、インスリン±OADに対するETDは、1剤が−0.67%、(P<0.001)、2剤が−0.41%、(P<0.001)だった。1剤と2剤の間、また3剤以上とインスリン±OADの間には、有意差は認められなかった。

 糖尿病罹病期間の長さ、および投与開始時の薬剤数は、それぞれ独立して、ベースラインからのHbA1cの低下幅の小ささと有意な関連を認めた(どちらもP<0.0001)。

 試験からの脱落は、糖尿病罹病期間にかかわらず同等(22〜24%)だったが、OAD 3剤以上(25%)およびインスリン±OAD(30%)では、1剤または2剤(19〜21%)と比較して多かった。脱落の最も大きな理由は、投与開始初期に認められた消化管障害だった。

 Penfornis氏は、今回の解析で得られた知見が、LEAD-2試験や7つの第3相試験のプール解析の結果と一貫性があると指摘した上で、「糖尿病罹病期間の短い患者、リラグルチド開始時に投与されていた薬剤数が少ない患者で、リラグルチドによるより大きな血糖降下作用が得られた。このことから、2型糖尿病がより早期の段階にある患者で、リラグルチド投与により得られる利益は大きいと考えられる」とまとめた。