英国University of BirminghamのAlison Chambers氏

 青年期2型糖尿病(2TDM)患者に対する食事制限の実施は難しく、親の食事の与え方や食事制限が子供の心理面にどのような影響を及ぼすのかについても明らかでない。そこで、食物をイメージした際の脳の活動状態(fMRI)と親の食事指導のあり方との関連を調べたところ、食べ物をコントロールする教育を受けた2TDM患者は、食物を前にしたときに、認知制御、自己コントロールに関わる楔前部や前帯状皮質などの活動が高まり、食事管理にはよい影響を与えている可能性が示唆された。

 この成果については、9月27日までバルセロナで開催されていた欧州糖尿病学会(EASD2013)で、英国University of BirminghamのAlison Chambers氏らが発表した。

 対象は、2TDM群15人(女性15人、平均年齢16.12歳)、肥満者群20人(女性15人、平均年齢14.8歳)、正常体重のコントロール群20人(女性14人、平均年齢16.07歳)。

 親の食事の与え方についてはCFPQ(comprehensive feeding practices questionnaire)などの質問票を用いて、親と子供の両方から情報収集した。

 また脳の活動状態については、40の食物の映像と、色や形を似せた40の食物ではない映像を見せて、それらを食べているところをイメージしてもらい、その際の脳の活動状態をfMRIで記録した。

 親の食事の与え方に関する情報を「教える与え方」「感情に訴える与え方」「制限する与え方」の3つに分類して解析を行ったところ、「制限する与え方」については、3群間で有意差があり、コントロール群ではその傾向が弱く、2TDM群と肥満者群では強かった。「感情に訴える与え方」は、肥満者群で高い傾向が見られた。

 すべての群で、食物の映像を見たときの方が、食物でない映像を見たときよりも脳の活動は高まった。特に2TDM群で最も活動が高まった。

 そこで2TDM群について、食物をイメージしたときの中前頭回の活動の高さとHbA1c値の関連を見たところ、負の相関を示し(P=0.03)、脳の活動が高かった患者ほどHbA1c値が低く血糖管理が良好だった。

 特に親が「制限する与え方」ををしていた2TDM患者の場合は、食物をイメージした際に脳の楔前部や前帯状皮質の活動が高まり、認知制御の機能が強く働くことが示唆された。

 一方、「感情に訴える与え方」をされた肥満患者は、食物のイメージによって扁桃体や海馬などの活動が高まり、より感情的に食物に反応していることが示唆された。

 「制限する与え方」をされたコントロール患者は、視覚野の活動が高まったが、視覚野は食行動とは関係がないためその関連は不明だった。

 Chambers氏は、「親の食事の与え方や食教育のあり方によって、脳の活動の高まる部位が異なることが分かった。青年期の2TDM患者に食事制限の教育を行うことは、脳の自己コントロール機能を高め、糖尿病管理によい影響を及ぼす可能性が示唆された」と語った。