関西電力病院院長の清野裕氏

 日本人の2型糖尿病(2TDM)患者において、新規糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬ルセオグリフロジンTS-071)を12週間投与したところ、HbA1c値、空腹時血糖値、食後2時間後血糖値、体重などに改善効果が得られ、投与開始から52週後にも効果が持続することが示された。関西電力病院院長の清野裕氏が、9月23日から27日までバルセロナで開催されていた欧州糖尿病学会(EASD2013)で発表した。

 これまでの探索的試験結果から、ルセオグリフロジンを1日0.5〜5mg投与すると、HbA1c値とそのほかの血糖コントロール指標を改善することが報告されている。

 今回発表されたのは、日本人2TDM患者を対象に経口薬のSGLT2阻害薬であるルセオグリフロジン単剤投与の安全性、有効性を検討した24週間の無作為化二重盲検試験(study1)と、ルセオグリフロジンの長期服用の効果と安全性を評価するために実施された52週間の非盲検試験(study2)の2つ。

 Study1の対象は、HbA1c値が6.9〜10.5%、空腹時血糖値が126mg/dL以上で20歳以上の患者158人。Study2の対象は、HbA1c値が6.9〜10.5%、20歳以上の患者299人。ルセオグリフロジンの投与量は2.5mgから開始し、24週時点でHbA1cが7.4%以上と血糖コントロールが適切にできていない患者には5mgまで増量した。

 ベースラインにおける患者背景の各群の平均は、以下の通り。Study1では、プラセボ群(79人)の年齢が59.6±9.3歳、体重が66.7±11.2kg、BMIが25.3±4.2kg/m2、HbA1c値が8.17±0.80%、空腹時血糖値が161.9±31.0mg/dLだった。ルセオグリフロジン2.5mg投与群は、それぞれ58.9±10.1歳、70.2±13.7kg、26.0±4.9kg/m2、8.14±0.91%、160.8±28.7mg/dLだった。

 また、study2では、年齢が59.2±10.1歳、体重は69.5±14.0kg、BMIは25.9±4.3kg/m2、HbA1c値が7.67±0.66%。空腹時血糖値が139.2±24.1mg/dLだった。

 Study1でルセオグリフロジンを12週間投与した結果、プラセボ群と比較して、ルセオグリフロジン群ではHbA1c値は0.75%減少し、空腹時血糖値は27.5mg/dL下がっていた。食後2時間後血糖値はプラセボ群よりも56.8mg/dL下がっていた。また、体重は1.77kg、腹囲は1.26cm、それぞれ減少していた。

 Study2で、ルセオグリフロジンを52週間投与した結果、HbA1c値、空腹時血糖値、体重のそれぞれで明らかな減少が2週目以降に認められた。開始時点と52週目の測定値を比較すると、HbA1c値は−0.50%、空腹時血糖値は−16.3mg/dL、体重は−2.68kgとなった。それ以外に、収縮期血圧と拡張期血圧の低下と血漿中の中性脂肪とHDLコレステロール値の維持が認められた。

 有害事象は、study1では低血糖がルセオグリフロジン投与群に1人(1.3%)、性器感染症がプラセボ群に1人(1.3%)と投与群に2人(2.5%)、頻尿や多尿がプラセボ群で2人(2.5%)と投与群に3人(3.8%)、それぞれ確認された。Study2では低血糖が6人(2.0%)、尿路感染症が4人(1.3%)、性器感染症が5人(1.7%)、頻尿や多尿が10人(3.3%)、のどの渇きや脱水、低血圧が7人(2.3%)だった。だが、副作用の症状は重くなかった。

 これらの結果から、清野氏はルセオグリフロジンの単独1日1回投与は「HbA1c値、空腹時血糖値、食後2時間後血糖値、体重、収縮期血圧の減少効果が得られること、そして投与開始から52週後にも効果が持続することが明らかになった」とまとめた。