スウェーデンのDepartment of Medical and Health SciencesのT. Lindström氏

 2型糖尿病患者で同等の減量効果が得られる低脂肪食低炭水化物食だが、健康関連の生活の質HRQoL)の向上という点では、低炭水化物食の方が効果があることが示された。スウェーデンのDepartment of Medical and Health SciencesのT. Lindström氏らが、9月23日からバルセロナで開催中の欧州糖尿病学会(EASD2013)で発表した。

 演者らは、肥満あるいは2型糖尿病患者のHRQoLに関しては、減量の影響を調べた研究はいくつかあるものの、さまざまな食事療法の影響を比較したデータはほとんどないことから、今回の研究に着手した。低脂肪食(LFD)あるいは低炭水化物食(LCD)による食事療法を取り上げ、2型糖尿病患者に対する2年間の介入を実施、それぞれのHRQoLへの影響を比較した。

 研究デザインは、前向き、無作為化試験で、61人の2型糖尿病患者を対象とした。ベースライン、6カ月、12カ月、24カ月時にSF-36質問票を用いて健康状態を把握した。エネルギー摂取量は男性で1800kcal、女性で1600kcalに設定した。LFD群は脂肪30%E、炭水化物55‐60%E、タンパク質10−15%E、LCD群は脂肪50%E、炭水化物20%E、タンパク質30%Eという内容だった。

 試験の結果、ベースライン時の平均BMIは32.7±5.4kg/m2だった。減量の効果には両群間で認められ6カ月時で最大となった(LFD群:−3.99±4.1kg、LCD群:−4.31±3.6kg、ぞれぞれP<0.001)が、群間差はなかった。12カ月時点で、身体機能、肉体的苦痛、健康全般、および活動力は、LFD群ではベースラインと比べて変化がなかったが、LCD群では改善していた。具体的には、SF-36の身体的要素スコアは、LFD群に変化がなかったのに対し、LCD群では12カ月時に46.7に上昇し(ベースライン:44.1、P<0.009)、LCD群の方が有意に改善していた(P<0.03)。心理的要素については両群とも変化は見られなかった。

 これらの結果から演者らは、「体重の変化に両群間で差はなかったが、LCD群で1年後にHRQoLの改善が認められた。LFD群では減量効果は同等であったにもかかわらずHRQoLに変化はなかった」と結論。今回のデータは、「HRQoLにおいては、LFDに比べてLCDの方が好ましい方法であることを示している」とまとめた。