スウェーデンGothenburg大学のBledar Daka氏

 男性の2型糖尿病患者テストステロン値が高い場合は、急性心筋梗塞発症リスクが減少するようだ。血中テストステロン値が1mmol/L増加するごとに、同リスクは約25%低下するという。これは、スウェーデンGothenburg大学のBledar Daka氏らが行った、地域住民を対象にした観察研究で明らかにしたもので、9月23日にバルセロナで開幕した欧州糖尿病学会(EASD2013)で発表した。

 Daka氏らは1993〜1994年にかけて、スウェーデンSkara地方在住の40歳以上、1105人(うち男性は536人)について調査を行った。被験者の平均年齢は、男性が62.2歳、女性が61.8歳だった。ベースライン時の2型糖尿病罹患率は、男性が10%、女性が7.5%だった。

 調査では、総コレステロール値、LDL・HDLコレステロール値、トリグリセリド値、空腹時血糖値、BMI、ウエスト・ヒップ比(WHR)、5分安静時後の仰臥位血圧値を測定した。また、喫煙の有無、アルコール摂取、身体活動性、慢性疾患の有無などについては質問票による自己申告で把握した。ベースライン時に急性心筋梗塞のある人は除外した。

 血中総テストステロン値、性ホルモン結合グロブリン値を測定し、急性心筋梗塞発症リスクとの関連についてコックス回帰分析を行った。

 平均追跡期間は、14.1年(標準偏差:5.3年)で、その間に発生した急性心筋梗塞は、男性が74人(うち糖尿病患者10人)で女性が58人(うち糖尿病患者9人)だった。

 その結果、男性の2型糖尿病患者では、テストステロン値が高い程、急性心筋梗塞発症リスクが低かった。テストステロン値が1mmol/L増加するごとの同発症に関するハザード比は、年齢、WHR、喫煙、身体活動性、LDLコレステロール値、収縮期血圧値を補正後、0.754(P=0.006)だった。

 一方、男性全体や女性全体、あるいは女性の2型糖尿病患者では、いずれもテストステロン値と急性心筋梗塞発症リスクには有意な関連は認められなかった。

 Daka氏は今回の結果を受けて、2型糖尿病の男性に対しテストステロンの補充療法を行うことで、心血管疾患リスクの低減につながるかどうかついては、さらなる検討が必要だ、とした。