イタリアAOU CareggiのM.Monami氏

 光線感作化合物RLP068/Clは、感染性糖尿病性足潰瘍細菌量を有意に低減し、高い治療効果を示すことが分かった。また、有効性、安全性および忍容性に関するデータから、RLP068/Clのゲル製剤の濃度は0.30%での使用が適していることが示された。イタリアAOU CareggiのM.Monami氏が、10月1日から5日までベルリンで開催された欧州糖尿病学会EASD2012)で発表した。

 RLP068/Clは、生体内および生体外モデルにおいて、細菌量を減らす薬理活性を示す。RLP068/Clは、レーザーから放出される赤色光により活性化し、一重項酸素もしくはその他の活性酸素(ROS)の産生に起因する。また、ゲル製剤(G.68.γ/EtOH)に製剤化したRLP068/CLは、ヒトへの応用試験前に行われた健康な人への試験である“ヒトでの初めての試験”において忍容性が良好だった。

 そこでD.A.N.T.E(Diabetic ulcer Antimicrobial New Topical treatment Evaluation study)臨床試験では、赤色光により光活性化したG.68.γ/EtOHを単発・局所投与(0.10%、0.30%、0.50%の3種類)し、足潰瘍細菌数の低減に対する有効性をプラセボと比較した。また、3日目、8日目、15日目に効果の持続性を評価し、G.68.γ/EtOHの安全性と忍容性をプラセボと比較した。

 対象は、感染による糖尿病性足潰瘍を有する患者55人(うち男性45人、年齢68.2歳)とした。潰瘍面積は平均4.07cm2、感染の重症度を示すPEDIS重症度分類はグレード2(皮膚・皮下組織までの軽度感染)だった。プラセボを投与するプラセボ群(13例、うち男性12例、65.6歳)、G.68.γ/EtOHを0.10%投与する0.10%群(11例、男性9例、68.5歳)、0.30%投与する0.30%群(15例、男性11例、70.8歳)、0.50%投与する0.50%群(16例、男性13例、67.6歳)の4群に無作為に割り付けた。G.68.γ/EtOHを潰瘍に塗布し、689±5nmの赤色光を約500秒間照射した。照射後、全ての患者に対し抗生物質治療を行った。

 潰瘍の総細菌量と病原菌量は、塗布後にプラセボ群と全体で比較したところ、有意な治療効果が認められた(順にP<0.001、P=0.008)。特に、総細菌量は、プラセボ群に比べ0.30%群と0.50%群において有意に低下した(順に−2940 Log10CFU/mLでP<0.001、−2998 Log10CFU/mLでP<0.001)。病原菌量は、プラセボ群に比べ0.30%群において有意に低下した(−2892 Log10CFU/mLでP=0.028)。

 8日目には、0.30%群のほぼ半数(7例)において、潰瘍のPEDIS重症度分類がグレード1(感染兆候なし)に改善した。また、15日目には66.7%に当たる9例がグレード1となった。0.50%群でも、15日目に半数に当たる8例がグレード1となった。

 8日目に追加の抗生物質もしくは抗真菌治療が行われた患者数は、プラセボ群の13例中8例、0.10%群の11例中2例、0.30%群の15例中3例、0.50%群の16例中7例だった。

 同試験の有害事象として、21例から47件が報告された。そのうち、G.68.γ/EtOHに関連する有害事象として腎不全、嘔吐、適用部位の痛みが挙げられたが、いずれも重篤なものではなかった。

 これらの結果からMonami氏は、「感染性の糖尿病性足潰瘍患者で初めてRLP068/Clの効果と高い忍容性が確認された。0.30%群と0.50%群は、プラセボ群と比較して感染性糖尿病性足潰瘍の細菌量レベルを有意に低減し、高い治療効果を示した」と結論し、「有効性、安全性および忍容性に関するデータを考慮し、RLP068/Clのゲル製剤は濃度0.30%での使用が適している」と考察した。

(日経メディカル別冊編集)