英国のLeeds大学のR.A.Ajjan氏

 重症低血糖救急搬送された糖尿病患者858人のデータを分析した結果、重症低血糖は1型および2型の糖尿病患者の両方に頻発しており、インスリン治療を受けていない患者でも、特にスルホニル尿素薬を服用している場合に多く発生していることが示された。10月1日から5日までベルリンで開催された欧州糖尿病学会EASD2012)で、英国のLeeds大学のR.A.Ajjan氏らが発表した。

 調査では、5.5年間に重症低血糖で救急搬送された糖尿病(DM)患者2万8000人のデータを分析した。その結果、計1312件(858人)の緊急搬送があり、これらの55%が1型DM患者で、39%が2型DMだった(6%不明)。

 平均年齢は1型が48.7歳、2型が72.8歳で、2型の方が高齢だった。搬送時の血糖値は、1型の方が2型よりも低かった(1型:1.71mmol/L 対 2型:1.96 mmol/L、P<0.001)。

 さらに2型DMで搬送された患者について見てみると、27%はインスリン治療を受けておらず(非インスリン治療患者)、経口の血糖降下薬を服用していた。非インスリン治療患者の90%がスルホニル尿素薬を服用していた。

 また、2型DM患者の搬送時の血糖値は、インスリン治療患者と非インスリン治療患者で差はなく(インスリン治療:1.93 mmol/L 対 非インスリン治療:1.98 mmol/L)、低血糖の重症度に違いはなかった。ただし、HbA1cの値は、非インスリン治療患者の方がインスリン治療患者よりも有意に低かった(P<0.001)。

 Ajjan氏は、「最も興味深い結果は、2型DMの搬送患者において、インスリン治療患者と非インスリン治療患者で低血糖の重症度に違いがなかったことだ。非インスリン治療患者であっても、特にスルホニル尿素薬を使用している患者では、重症低血糖に対する十分な注意が必要だ」と指摘した。
 
(日経メディカル別冊編集)