イタリアAzienda USL 3 PistoiaのR.Anichini氏

 糖尿病性足病変がある患者に、フットケアを含む予防教育プログラムを実施したところ、足病変と大切断の発生数が有意に減少したことが示された。イタリアAzienda USL 3 PistoiaのR.Anichini氏らが、10月5日までベルリンで開催されていた欧州糖尿病学会(EASD2012)で発表した。

 糖尿病性足病変は、糖尿病の最も重篤な合併症の1つだ。Anichini氏らはすでに2007年に、糖尿病性足病変の予防と治療のため、予防戦略の確立、患者とスタッフの教育、治療と徹底的な観察など、糖尿病性足病変ケアを改善したプログラムを5年間実施したことで、下肢の切断数および病変数を大幅に低減できたと報告している。また、2009年には、同施設周辺地域の糖尿病性足病変ケアに関して、同地域のプライマリケア医とも協力。2次医療のレベルでは分野横断的なケアチームを任命し、慢性疾患ケアモデル(CCM)の開発を通じて専門医とプライマリケア医との連携をさらに強化し、患者に対する総合的支援を確保したと報告している。

 そこで今回Anichini氏らは、2004年から2011年の間に、糖尿病性足病変のために同施設に紹介され、フットケアを含む体系的な教育プログラムを受けた患者数と、同期間中に発生した重度の足病変数や切断数、血行再建術数などを検討した。

 同施設に初めて紹介され、フットケアを含む予防教育プログラムを受けた患者は、2004年の496人から2011年の886人と、40%増加した。その一方で、糖尿病性足病変の患者数は、2004年の340人から2011年の186人と45%減少した。膝下動脈病変の血管内治療は2004年の10例から2011年の125例まで増加し、血行再建術施行数も増加していた。

 大切断の発生率は、2004年の3.0/住民10万人から2011年の1.8/住民10万人と有意に減少した(P<0.01)。一方、小切断は2004年の3.5/住民10万人から2011年の6.2/住民10万人へ増加し、大切断とは異なる傾向を示した。糖尿病性足病変患者のうち、足病変ケアのみを受ける患者数は、2008年の160人から2011年の922人へと大幅に増加した。一方で、投薬治療を受けた患者はわずかに減少する傾向がみられた。

 これらの結果からAnichini氏は、「糖尿病性足病変に対してフットケアを含む教育プログラムを実施した結果、糖尿病患者のフットケアの有意な改善が観察された」と結論した。その上で、われわれの地域では、プライマリケア医との連携、CCMの開発などの取り組みによって、フットケアチームが担当する患者の割合が徐々に多くなっており、足病変の発生リスクがある糖尿病患者は糖尿病施設によって厳格に管理されていると強調した。

(日経メディカル別冊編集)