ノルウェーのAstrazeneca NordicのJ.Bodegard氏

 体重を適切に管理することは2型糖尿病患者の重要な課題の1つだが、体重変動が心血管死に及ぼす影響がどの程度なのかについては明らかではない。そこで、スウェーデンの2型糖尿病患者コホートを用いて後ろ向きに追跡調査した結果、新たに2型糖尿病と診断されて1年以内に体重が増加したグループは、体重が変わらなかったグループに比べて有意に心血管死のリスクが高いことなどが示された。10月1日からベルリンで開催中の欧州糖尿病学会EASD2012)で、ノルウェーのAstrazeneca NordicのJ.Bodegard氏らが発表した。

 対象は、スウェーデンの84のプライマリケアセンターで1999〜2008年に新たに2型糖尿病と診断された3万8960人。ベースライン時の平均年齢は60.0歳で平均BMIは30.2kg/m2だった。

 このうち、ベースライン時および診断後1年以内のBMIが測定されていた8486人を対象に、ベースライン時から診断後1年以内のBMIの変化量によって、体重増群(+1超、1238人)、体重変化なし群(−1〜+1、4523人)、体重減群(−1未満、2725人)の3群に分けた。

 体重増群は体重変化なし群に比べ、年齢が高く、高学歴で、HbA1cが低く、HDLコレステロールが高く、狭心症既往は少なかった。一方、体重減群は体重変化なし群に比べて、女性が多く、高学歴で、ベースライン時のBMIが高く、中性脂肪が高く、血圧も高かった。およそ3分の1の患者が診断後に血糖降下薬を服用していた。

 9年間のフォローアップ(中央値:4.6年)を行い、年齢、性別、ベースラインBMI、狭心症既往、教育レベル、結婚、血糖降下薬の服用で補正後、COX生存回帰分析を行った。 

 その結果、体重増群は、体重変化なし群に比べて心血管死のリスクが有意に高く(HR:1.63、95%信頼区間:1.11−2.39)、総死亡も有意に高かった(HR:1.34、95%信頼区間:1.01−1.76)。

 Bodegard氏は、「本研究で、糖尿病の診断後1年以内の体重増は、長期的な心血管死のリスクと関連があることが示唆された。体重増群の患者は、おそらく糖尿病と診断されてからも、食事や運動などの生活習慣の改善を行っていなかったことを意味している。よって、糖尿病と診断された患者に対して、体重をできるだけ増やさないよう、生活習慣の指導に力を入れる必要があるだろう」と語った。

(日経メディカル別冊編集)