フィンランドTurku大学のAnna Savolainen氏

 低ボリュームの高強度インターバルトレーニングは、骨格筋、肝臓、内臓および皮下脂肪組織におけるインスリン感受性を上昇させることが示唆された。また、膵脂肪含量も減少することが報告された。フィンランドTurku大学のAnna Savolainen氏が、10月1日からベルリンで開催中の欧州糖尿病学会(EASD2012)で発表した。

 高強度インターバルトレーニング(HIT)とは、高強度運動と短い休憩を交互に繰り返し行うトレーニングのこと。これを、2週間で6回行うことで、耐糖能と全身のインスリン感受性を高めることが報告されている。HITと骨格筋のインスリン感受性についての研究は以前行われたが、腹部脂肪組織によるインスリン感受性低下への効果についてはあまり明らかになっていない。また、年齢と非活動的な生活習慣は、糖尿病前症や2型糖尿病など代謝性疾患のリスク因子として知られている。

 そこで今回Savolainen氏らは、座る機会が多い中高年のボランティアを対象に、グルコースおよび脂肪酸代謝に対する低ボリュームHITの効果を、部位ごとに非侵襲的分子イメージング法を用いて検討した。

 対象は、座る機会が多い健康な中年男性11人(年齢48歳、BMI 26kg/m2、最大酸素摂取量34mL/kg/min)とした。低ボリュームHIT(エアロバイクで30秒のウィンゲートテストを4〜6回行う。4分間の休憩を含めて、総所要時間は15分)を2週間で6回行い、実施前と実施後の2回、測定を行った。

 その際、骨格筋、肝臓、膵臓、腹部皮下脂肪、内臓脂肪組織において、インスリン刺激によるグルコースおよび遊離脂肪酸の取り込みを、PETによって測定した。

 トレーニングの実施後は、実施前に比べ、総コレステロール量、アラニンアミノトランスフェラーゼが有意に低下し(それぞれP<0.001、P=0.002)、最大酸素摂取量が有意に増加した(P=0.003)。

 インスリン刺激によるグルコースの取り込みは、肝臓(P<0.01)、腹部皮下脂肪(P<0.05)、内臓脂肪(P<0.05)、骨格筋(P<0.001)において実施後に有意な上昇を認めた。遊離脂肪酸の取り込みには有意な変化を認めなかった。トリグリセリド含量は、膵臓のみ実施後に有意な低下を認めた(P<0.05)。

 Savolainen氏は、低ボリュームの高強度インターバルトレーニングがインスリン感受性を上昇させることが示唆されたことから、「糖尿病前症または2型糖尿病に対する予防や治療効果について、さらに調査する必要がある」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)