カナダMount Sinai HospitalのBernard Zinman氏

 インクレチン関連薬は2型糖尿病の血糖コントロールに用いた場合、体重を増加させないか、または減少させることが知られている。カナダMount Sinai HospitalのBernard Zinman氏らは、リラグルチドが他のインクレチン関連薬に比べ、血糖コントロールの目標達成と体重減少を同時に実現しやすいことを明らかにした。結果は、9月12日から16日までリスボンで開催された欧州糖尿病学会(EASD2011)で報告した。

 Zinman氏らは、インクレチン関連薬として、GLP-1受容体作動薬であるリラグルチドとエキセナチド、およびDPP-4阻害薬とシタグリプチンを用い、試験薬投与26週後のHbA1c値7%未満の達成率と体重減少を比較検討した。

 本研究では、大規模オープンラベルランダム化試験のLEAD-6試験とLIRA-DPP-4阻害薬試験のデータを統合して解析に用いた。両試験ともに対象は、メトホルミンとSU薬のいずれか、または両方で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者とされた。解析対象はリラグルチド1.8mg群454例、同1.2mg群225例、エキセナチド10μg群231例、シタグリプチン100mg群219例となった。

 ベースラインにおける4群の背景は、年齢が55.0〜57.1歳、体重が93.0〜93.8kg、BMIが32.6‐33.0kg/m2、HbA1c値が8.1‐8.5%であり、群間差は認められなかった。

 26週後のHbA1c値は、リラグルチド1.8mg群では1.3%、同1.2mg群では1.1%、エキセナチド群では0.9%、シタグリプチン群では0.9%低下していた。体重はリラグルチド1.8mg群では3.0kg、同1.2mg群では2.7kg、エキセナチド群では2.3kg、シタグリプチン群では0.8kg低下した。

 HbA1c値7%未満と体重減少の両方を達成した患者の割合は、リラグルチド1.8mg群49%、同1.2mg群38%、エキセナチド群37%、シタグリプチン群16%であった。

 多変量解析で、HbA1c値7%未満と体重減少の両方を達成するオッズ比を求めたところ、リラグルチド1.8mg群は、リラグルチド1.2mg群に対して1.66(95%信頼区間:1.14‐2.41、p<0.01)、エキセナチド群に対しては2.10(同:1.41‐3.14、p<0.001)、シタグリプチン群に対して5.70(同:3.63‐8.94、p<0.001)となり、リラグルチド1.8mg群は他のインクレチン関連薬に比べて達成率が有意に高いことが示された。なお、リラグルチド、エキセナチド、シタグリプチンの忍容性はいずれも良好だった。

 以上の検討結果からZinman氏は、「リラグルチド1.8mgで治療した患者は、他のインクレチン関連薬で治療した患者に比べて、血糖コントロールと体重減少を同時に達成しやすい」と結論付けた。その理由として同氏は、「リラグルチドはシタグリプチンよりもGLP-1受容体に対する活性化作用が強い。また、エキセナチドに比べて半減期が長く、空腹時血糖値をより大きく下げるためではないか」と推察した。

(日経メディカル別冊編集)