ドイツSt.Josef HospitalのJuris Meier氏

 GLP-1受容体作動薬リラグルチドは、2型糖尿病患者において、残存している膵β細胞機能にかかわらず、スルホニルウレア(SU)薬グリメピリドやGLP受容体作動薬エキセナチド、チアゾリジン誘導体(TZD)ロシグリタゾン、DDP-4阻害薬シタグリプチンと比較して、良好な血糖降下作用を示すことが7試験のメタ解析で明らかになった。9月12日から16日までリスボンで開催された欧州糖尿病学会(EASD2011)で、ドイツSt.Josef HospitalのJuris Meier氏が報告した。

 2型糖尿病では膵β細胞機能が徐々に低下してインスリン分泌能が減弱し、またインスリン抵抗性が増加することによって、慢性的な高血糖がもたらされる。残存している膵β細胞機能についてはHOMA-Bがよく相関するとされているが、Meier氏らは「最近の研究で、Cペプチドと空腹時血糖(FPG)の比が、HOMAより優れた予測因子であることが明らかになった」として、この方法によって試験開始時の患者の膵β細胞機能を評価。さまざまな経口糖尿病治療薬と血糖降下作用を比較した。

 解析対象は、6つのLiraglutide Effect and Action in Diabetes(LEAD)試験とシタグリプチンとの比較試験の、計7つのランダム化対照試験における26週間のデータとした。これらの試験において患者は、(1)リラグルチド1日1回投与(1.2mgまたは1.8mg)、(2)SU薬(グリメピリド2‐8mg)、(3)エキセナチド1日2回投与(10μg)、(4)シタグリプチン(100mg)、(5)TZD(ロシグリタゾン4mg)、(6)プラセボのいずれかによる治療を受けた。

 C-ペプチドとFPGの比(ng・mL-1・mg-1・dL)の四分位で患者を層別化(Q1:0.079以下、Q2:0.079‐0.114、Q3:0.114‐0.162、Q4:0.162超)し、それぞれの治療の血糖降下作用を比較した。

 その結果、すべての4分位においてリラグルチド1.8mgは、シタグリプチン、TZD、プラセボと比較してHbA1c低下作用が有意に大きかった。またHbA1c値7%未満を達成していた患者割合も、同じくすべての4分位において、シタグリプチン、TZD、プラセボよりも有意に多かった。

 4分位別のうちQ2、Q3、Q4では、リラグルチド1.8mgは他のすべての薬剤と比較して有意に大きなHbA1c低下が認められた(すべてp<0.05)。

 Q1では、リラグルチド1.8mg、同1.2mg、SU薬、エキセナチドのHbA1c低下は同等だったが、TZD、シタグリプチン、プラセボに対しては、リラグリチド1.8mgと同1.2mgは共に有意に大きな低下を認めた。

 Q3、Q4においてHbA1c値7%未満を達成した患者の割合は、リラグルチド1.8mgが他のすべての薬剤と比較して有意に多かった(p<0.05)。Q4でHbA1c値7%未満を達成した患者は、リラグリチド1.8mg群が69.6%、SU薬は49.5%、エキセナチド53.7%、TZD41.0%、シタグリプチン21.2%、プラセボ21.7%だった。なお、Q4のリラグルチド1.2mgでHbA1c値7%未満を達成した患者は61.1%で、TZD、SU薬、シタグリプチン、プラセボに対して有意に多かった(すべてp<0.05)。

 リラグルチド1.2mgは、Q2、Q3で他と比較してHbA1c値7%未満の治療目標を達成した患者割合が多い傾向が認められた。

 Q1でHbA1c値7%未満を達成した患者割合は、リラグルチドの2用量、SU薬、エキセナチドで同等だった。しかし、リラグルチド1.8mg(57.5%)の達成率は、TZD(29.3%)、シタグリプチン(20.5%)、プラセボ(14.8%)と比較して有意に高かった(p<0.05)。

 これらの結果からMeier氏は、「リラグルチドによる血糖コントロールは、膵β細胞機能にかかわらず効果的である。特に糖尿病が進行した患者群では、他の糖尿病治療薬と比較して、より効果的だった」と述べた。また本試験の実臨床における解釈について、「治療開始時に膵β細胞機能を測定する必要はなく、いつどの薬剤を投与するのかは、臨床的な判断がより重要である」との見解を示した。

(日経メディカル別冊編集)