英・Royal Victoria 病院のA.S.Lewis氏

 一般的に幼少から青年期には、成人期よりも砂糖を多く摂取する傾向が見られるが、この時期の糖の過剰摂取が成人後にどのような影響を及ぼすかについては明らかになっていない。そこで、10代初期の糖摂取が成人後の糖代謝にどのような影響を及ぼすかを前向き縦断観察研究によって調べたところ、10代初期の糖の過剰摂取は、成人期の空腹時血糖の高値やインスリン抵抗性と関連していることが示された。9月12日から16日までリスボンで開催された欧州糖尿病学会(EASD2011)で、英・Royal Victoria 病院のA.S.Lewis氏らが発表した。

 同研究は、Northern Ireland Youg Hearts Studyの一部として実施されたもので、青年期(12〜15歳)の1015人を対象に1989〜1990年に食事歴を聴取。そのうちの489人については、20〜25歳になった1997〜1999年の時点で再度食事歴を聴取し、経口糖負荷試験も実施した。食事調査はトレーニングを受けたフィールドワーカーが1対1で約1時間かけて行った。1日の糖摂取量は、総エネルギー摂取量(kcal)に対するパーセンテージで表した。

 SSPS統計ソフトを用い、単変量解析によって青年期の糖摂取が成人期の空腹時血糖値やインスリン抵抗性(HOMA-IR)に及ぼす影響について検討を行った。青年期および成人期の糖摂取量は、18%未満、18〜21.5%、21.5〜25.1%、25%超の4分位に分けて、それぞれについて成人期の空腹時血糖の平均値およびHOMA-IRスコアの中央値を算出した。解析は身長、体重、BMI、社会的地位、身体活動レベル、総エネルギー摂取量、総脂肪摂取量、腹囲径、皮下脂肪厚などで補正した。

 その結果、糖摂取量の平均値は青年期が21.7±0.3%で、成人期は19.4±0.3%だった。

 成人期における糖摂取量と空腹時血糖、および成人期の糖摂取量とインスリン抵抗性については、いずれも有意な関連は認められなかった。しかし、青年期の糖摂取と成人期の空腹時血糖では直線関係が見られ、青年期の1日の糖摂取が1%増加すると、成人期の空腹時血糖は0.01mmoL/L増加した(p=0.01)。また、青年期の糖摂取と成人期のインスリン抵抗性でも同様に直線関係が見られ、青年期の糖摂取が1%増加するとHOMA-IRは2%増加した(p<0.01)。

 Lewis氏は、「10代初期における糖の過剰摂取は、長期にわたり血糖代謝に対して独立した影響を及ぼし、成人期の空腹時血糖やインスリン抵抗性と関連していることが示唆された。ティーンエイジャーに対する栄養指導の必要性を改めて認識する必要があるだろう」と話した。

(日経メディカル別冊編集)