MRC Epidemiology Unit(英ケンブリッジ)のC. Langenberg氏

 糖尿病の発症リスクとして、胴囲も重要な因子であることが改めて示された。超過体重でかつ胴囲が大きい人も、肥満の人の場合と同様に、2型糖尿病の発症リスクが高いことが報告された。EU8カ国の26の医療センターが参加している大規模コホート研究であるInterAct試験の成果で、MRC Epidemiology Unit(英ケンブリッジ)のC. Langenberg氏らが、9月12日からリスボンで開催中の欧州糖尿病学会(EASD2011)で発表した。

 InterAct試験は、計34万234人の登録がある大規模コホート。今回は、BMIと胴囲のそれぞれが2型糖尿病発症に及ぼす影響を改めて評価するために、特に最近なにかと批判のある胴囲に注目して検討を行った。

 解析は、胴囲については、「男性94cm未満、女性80cm未満」の胴囲小群と「男性94cm以上から101.9cm、女性80cm以上から87.9cm」の胴囲中程度群、「男性102cm以上、女性88cm以上」の胴囲大群の3群に分けて比較した。また、BMIについては、標準体重(BMI:18.5-24.9kg/m2)、超過体重(同:25.0-29.9kg/m2)、肥満(同:30.0kg/m2以上)の3群とした。

 主要アウトカムは、2型糖尿病の10年間の累積発症率とし、評価の指標にはCox比例ハザードモデルによって求めたハザード比を使用した。

 解析の結果、BMIと胴囲は、それぞれ独立して2型糖尿病の発症と関連があった。特に女性では男性に比べて、胴囲が強力な危険因子であることが分かった。胴囲が「男性94cm未満、女性80cm未満」の胴囲小群を「1」とすると、胴囲が「男性94cm以上から101.9cm、女性80cm以上から87.9cm」の胴囲中程度群では、男性のハザード比は2.40(95%信頼区間:2.00-2.88)だったのに対し、女性のハザード比は3.05(同:2.65-3.53)と高かった。また、胴囲が「男性102cm以上、女性88cm以上」の胴囲大群ではさらに差が拡大し、男性のハザード比が5.36(同:4.38-6.55)に対し、女性は11.5(同:9.29-14.1)となった。

 BMIと胴囲の影響をさらに詳しく調べたところ、標準体重(BMI:18.5-22.4kg/m2)で胴囲小群に対する、肥満で胴囲大群の2型糖尿病発症の相対リスクは、男性で22.0(95%信頼区間:14.3-33.8)、女性で31.8(同:25.2-40.2)であることも分かった。

 10年間の2型糖尿病の累積発症率は、標準体重群では、胴囲の違いにかかわらず、男性が2.7%前後で女性が2.0%前後だった。これを基準とし、体重別に胴囲の違いによる2型糖尿病発症率を見たところ、超過体重群と肥満群では、胴囲が大きいほど2型糖尿病発症率が高いことが分かった。

 男性の場合、超過体重群では、10年間の2型糖尿病の累積発症率は、胴囲が小さい人(94cm未満)は2.3%、胴囲が中程度の人(94cm以上から101.9cm)は3.9%、胴囲が大きい人(102cm以上)では7.0%となった。肥満群では、それぞれ5.0%、4.8%、10.2%となった。

 一方、女性の場合、超過体重群では、胴囲が小さい人(80cm未満)は1.1%、胴囲が中程度の人(80cm以上から87.9cm)は2.0%、胴囲が大きい人(88cm以上)は4.4%となった。肥満群では、それぞれ2.8%、2.7%、7.4%となった。

 これらの結果を基に演者らは、「超過体重で胴囲が大きい人(男性102cm以上、女性88cm以上)は、10年間に2型糖尿病を発症する可能性が高いことが示された」と結論した。また、「このリスクは、肥満の人のリスクに匹敵するほど重要であると考えられるものであった。超過体重で胴囲が大きい人に対しては、早期の生活指導による介入効果が期待されるため、予防策を急ぐべきだ」などと考察した。その上で、胴囲測定の評価については、「超過体重の人には特に意味のあること」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)